タイトル通り
★★★★★
タイトル通り「現実」の目線に貫かれた理論に、共感し、学ぶことが多かった。
自分は学校教師ではないが、教える仕事と関わっている。
これまで「一人ひとりのニーズをよく理解して、一人ひとりに合った言葉・課題を選ばなくては」という強迫観念があった。
けれど、子どもは一人ひとりみんな違うから、その個別具体性に対応しようとすればするほど、迷いが深まってしまう。
一生懸命やっているのに、「やってもやっても足りない」無力感があった。
本書を読んで、現実を直視しながらも、子どもの個別具体性にひきずられない視野の広さを知った。
第一章では、子どもが一消費者として教師と対等であろうとする「商取引の発想」について指摘し、これを前提として、携帯電話の使用等、現実に起こる諸問題について分析し、一つずつに氏なりの対処法を明示している。
問題提起した件については、たとえ「当座」であれ必ず結論を持つという姿勢も、見習いたいと感じた。