誰も埋められない穴がポッカリと空いたままだヨ。
★★★★★
2002年にナンシー関氏の急逝後、名著「記憶スケッチアカデミー」の連載分の残り、
それと彼女の華麗なる電脳ライフの幕開けを赤裸々にルポした(笑)「赤パソコン青パソコン」を収録した2本立て。
ご存じ「記憶スケッチ〜」は理事長ナンシーのお題に応えて寄せられた胡乱な記憶の靄の中から紡ぎだされた破壊力抜群のスケッチ群、
そしてその作品群に真っ向から切り込む理事長のコメントの冴えにノックアウトされること間違いなし。
未読の方には今すぐ手にすることをお勧めしたい。
ただし、公共の場での閲覧はやめておいた方が賢明です(イヤ、ほんとに)。
「赤パソ青パソ」は1996年と、一昔前のパソコン事情を描いているだけなのに、何でこんなに面白いのかなぁ。
素朴な疑問やツッコミ&自虐ネタを織り交ぜながらふっと見せる洞察力の確かさにビックリです。
さて、本書はナンシーのホーム(?)とも言えるTVや芸能界ウォッチングとは異なるグラウンドに立った作品ですが一読すれば彼女の文才の非凡さは明らか。
突っ込みどころ満載のスケッチに対するコメントには思いもよらぬ発想や連想が散りばめられており、それが立派にエンタティメントとして成立しているのがやっぱりスゴイ。
殆どのコメントは辛口の批評なのだが送られてきたスケッチとナンシーのコメントによる「共同作業による相乗効果」によって
「めくるめく記憶スケッチの世界」が唯一無二の世界を作り上げております。
特にご高齢の方々からの作品に対するコメントの率直さには「愛」を感じますね。
最近しきりと、「あぁ今ナンシーが生きていたらなぁ」と思うシーンが多い。
色んな意味で彼女の抜けた後の穴は埋められていない気がします。
ナンシー関
★★★★★
笑いって日常の至る所に落ちてるって感じました。読んでいると実際に自分でも記憶を頼りにスケッチしてみたくなります。日曜日の午後にお勧め。
おもしろくて、うれしくて、かなしい。
★★★★★
「〜アカデミー1」もそうであったが、人前で読むのは危険。
ニヤニヤしながら数ページめくり(かなり我慢したけれど)
噴出しそうになって断念した。
記憶スケッチ展覧会のほか、
いとうせいこう×みうらじゅん×押切伸一という豪華3氏による「スケッチ学会」、
ナンシー氏が初めてパソコンを導入→活用してみるまでの流れを追った
「赤パソコン・青パソコン」も収録されており、おトクな感じ。
「赤パソ〜」は数年が経過している原稿なれど、
2007年の現在も思わず頷いてしまう鋭い指摘があちこちに。
なんだか後ろ向きの行為のような気がして、
ナンシー氏の本をしばらく手にとっていなかったのだが、
やっぱりどうしたって面白い。なんだか嬉しくなった。
ナンシー、ああ、ナンシー!
★★★★★
あんなに突然泣くなるなんて・・・
私たちはこれから何を信じて生きていけばいいのでしょうか?
道に踏み迷ったときは、そうです、この1冊を手にしましょう!
日本全国に潜在していた「あやふや」を白日の下にさらし
秀逸なコメントをちりばめた、まさに珠玉の1冊です!
亀のコメントに「わかりません。80年かけなければわからないものが
あるということです。長生きをしたいものです」とあって、本当に
もっともっと生きて、作品を発表し続けてほしかった。
ナンシー画伯以外にはかけないすばらしいコメント、選択眼。
レッツあやふや!
これを見て笑わない人は、いないと思います。
★★★★★
読むカタログ誌「通販生活」で一番好きなページがこの「記憶スケッチ」でした。
記憶に頼って、出された【お題】の絵を描くという企画なのですが、
これを見た人は、ぜったい[笑う]もしくは[自分もこっそり描いてみる]のどちらかでしょう。
実はわたくし、絵を描く仕事をしているんですが、いきなり【大仏】だの
【アントニオ猪木】を描けなんて言われたら・・・描けません。
ここに載ってる、4本足の【にわとり】とか、乳だらけの【パイナップル】は少なくとも描かないけど。
ナンシーさんの、作品ひとつひとつへの解説が笑いを何倍にもしてうーむナルホド、ソウダッタノカ、
と、うならせてくれます。人の記憶って曖昧で、個性は無限だ! レッツスケッチ!!
ナンシーさんの、えへへへと笑っている姿が目にうかびます。合掌。