有名企業の社名の由来は、しばしばビジネスパーソンの間で話題となる。ただ、ブリヂストン(創業者の姓に由来)しか知らないというのでは、いささか心もとない。また、社名の由来は知っていても沿革や事業内容はよくわからない、というのも恥ずかしい。
本書では、気になる社名の由来を、創業時のエピソード、事業内容を加えて310社紹介している。電話帳の冒頭に掲載されるのを狙って名づけたというアートコーポレーションや、ギリシャ神話の英雄アキレウスに由来するアキレス、中国の故事で「医師」を意味する「杏林」を冠した杏林製薬、勝利の女神「NIKE(ニケ)」を英語読みしたナイキ、波を丸くおさめ、漁の無事を願うという意味のマルハ、創業者が好きだったシェークスピア生誕の地を社名としたエイボン、長嶋茂雄の現役時代、巨人のクリーンナップトリオにあやかってつけられたクリナップなど、じつにユニークな社名の由来が並んでいる。主要企業の社名の由来と同時に事業概要もわかるので、ビジネスパーソンの教養にうってつけの1冊である。(土井英司)
興味深く読みました
★★★★☆
これは「感動もの」ではなくて「雑学もの」だろうと高をくくって読み始めたのですが、
なんのなんの、どんな分野も創始者の苦労は並々ならぬものがあったのですね。
時代に即したロゴや社名を目指しながらも、創始者の心意気は受け継ぎたいという社員の
意志などが読み取れて、おもしろく読みました。
私がかつて勤めていた企業も、この本に出てもよさそうな規模なのですが、創始者の姓を
冠しただけの社名ですから、とくに謂れを説明するほどのものではなく、それについては
ちょっと残念。
社名に隠された事実はおもしろい
★★★★☆
「トヨタ」の創始者は豊田(とよだ)さんなんのに、社名はなぜ「トヨタ」なのか。「トンボ」という社名が既にあって使えなかったために「(オニ)ヤンマー」になった。という具合に、別に知らなくてもいいことだが、面白いエピソードが書かれている。よく知られた大会社ばかりで、誰もが楽しめる。
ホントに誰かに教えたくなっちゃいます・・・!
★★★★☆
単行本刊行時に著者がラジオで解説したのを聞き、ずっと読みたかったのですが、5年以上経って、文庫化され購入。(収録数が単行本より少ないことは、読後に他者レビューで知りました)
商品解説・他者レビューで凡例に挙げているものは割愛しますが、それ以外でも、興味深いのは、asicsやJascoは、なんの略であるのか?牛乳石鹸には牛乳が入っているの?小僧寿しの小僧って何者?ブラザーって兄弟でやってるの?電気通信ではない広告業が電通をなぜ名乗るの?ポッカって何?等 漠然とした疑問が、由来を聞くと納得してしまうことしきり、知っていても、偉くもなんともないトリビアだが、読後は、各社に親近感がわいてきます。
また、経済通なら常識かもしれませんが、三菱鉛筆は三菱財閥とは無関係。日清食品と日清製粉も同様に無関係。三井○○から独立すると東洋○○、そこからまた独立すると日本○○と名乗るとか。財閥系で名字がつかないのは三菱だけとか、海上火災と火災海上は営業開始順の違い等、業界の常識についてもいくつか学べました。
1社見開き2ページで簡潔な解説なので、パッパと読めるのもよいと思います。
面白さは☆×4。でも、こういう文庫化の仕方はイカンと思うので☆×3
★★★☆☆
2002年に同名のタイトルで発売された単行本を文庫化した作品。タイトルどおりの内容で、有名企業120社の社名の由来が1社あたり2頁とコンパクトに紹介されている。ウンチク本の一種といえるが、これが結構興味深い。マツダがなぜ「MAZDA」なのか等、長年疑問に思っていたこともわかってスッキリした。
ただ、最後の最後になって、単行本では300社以上が紹介されていたことがわかってしまった。文庫化に際し、半数以上がカットされているのだ。出版社の意向か著者の意向かは知らないが、どうしてそんなことになったのか。ひょっとして、180社あまりの会社は現在存在していないのか?いずれにしても、非常にもったいないことをしたものだ。
120社でも充分楽しく読むことはできたのだが、もともと300社以上が紹介されていた作品だということを考えると、そんな文庫化の仕方はイカンと思う
本当に誰かに教えたくなります。
★★★★☆
それぞれの企業の歴史もわかるし、社名の意外な奥の深さに驚かされます。
戦後に社名を変える際、もともと決まっていた社名が気に入らなかった
一社員が独断で登録してしまったとか、信じられないような話もあって
相当楽しめます。
2002年の発行なので、今はもう合併等でなくなってしまった会社も掲載されて
いますが、それはそれで懐かしさを誘います。
自分が勤めている会社の「社名の由来」は実にひねりのない平凡なものだったので
それは残念ですが・・・(笑)。