ヴェーダとウパニシャッドの適度な引用と解説による、標準的な範囲を抑えているインド思想本。しかし、「入門」としてはやや難解、中級者に対しては物足りない感のする、なんとも位置づけの難しい本である。
　すでに日本のインド哲学研究界には、個性たっぷりの宮元啓一が登場しており、他の論者にも、もっとパンチの効いた論述を期待してしまう。その点から、穏健で抑制されていることは長所でもあろうが、短所にも見えるのである。

副題にあるとおり、インド宗教史上最古の文献である『リグヴェーダ』と、それに続く呪術性の濃い『アタルヴァヴェーダ』、神学的議論を行う『ブラーフマナ』、そしてヴェーダ文献の中でも哲学的思索に満ちた『ウパニシャッド』の中から代表的な詩節及び章を選んで抜粋訳を示し、解説したものである。尤も、本書の８割強がリグヴェーダとウパニシャッドに割かれているので、実質上これら二文献（群）に対する入門書と言ってよい。

リグヴェーダにせよウパニシャッド文献にせよ、代表的な詩節や哲学説は押さえられているので、入門書としては好都合である。また、インド思想を全く知らない人でも、本書の易しい語り口は違和感なく受け入れることが出来るだろう。多少なりともインド哲学を齧った方々には物足りないかも知れず、専門家には本書の与える解釈の点で異論があることもあろうが、少なくとも初心者にはお勧めの一冊である。

インドå"²å­¦ã®å...¥é-€æ›¸ã¯å¤šãå‡ºç‰ˆã•ã‚Œã¦ã„るが、いずれもè¡'学的な色彩が強く、インドå"²å­¦ã«èˆˆå'³ã‚'持った人にはちょっと難ã-いものが多すぎるæ°-がする。そã‚"な中で、主に仏教é-¢ä¿‚で良書ã‚'多数有ã-ているＮＨＫライãƒ-ラリーのã"の『インドå"²å­¦ã¸ã®ã„ã-ない』は、はじめての人にもとてもわかりやすい案å†...書であると思う。

インドå"²å­¦ã¨ã„っても、話題は古代インドå"²å­¦ã€ã¤ã¾ã‚Šãƒ'ェーダとウãƒ'ニシャッドが中心で、仏教・ジャイナ教は言うに及ばず、シャンカラなどの中ä¸-期のãƒ'ンドゥーå"²å­¦ã€è¿'ä¸-のものは主題ではないが、若干触れられている。

ãƒ'ェーダとウãƒ'ニシャッドについては、å...¥é-€æ›¸ã«ã‚‚かかわらず、サンスクリットの本来の意å'³ã‚'提示ã-たり、翻訳の原å...¸ã‚'引ç"¨ã-たり、十分な量のç'¹ä»‹ãŒãªã•ã‚Œã¦ãŠã‚Šã€ã"ã!®ä¸€å†Šã§å¤ä»£ã‚¤ãƒ³ãƒ‰å"²å­¦ã®ã‚らまã-ã‚'知るã"とが出来るだろう。