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太平洋戦争の意外なウラ事情―真珠湾攻撃から戦艦「大和」の沖縄特攻まで (PHP文庫)

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: PHP研究所
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海ゆかば水浸くかばね〜戦場の極限下で発露する人間性をよく描いている ★★★★★
太平洋戦争を色々な切り口から考察したコンパクトな本で、類書は多いが、本書はその中でも出色のものと言える。
これまでの研究や史料を要領よく取捨選択して、非常にすぐれたサマリー(まとめ)となっている。
全部で30のトピックを採り上げているが、私が惹きつけられたのは、やはり戦局が不利に傾いたころから、敗戦に至るまでの後半のエピソードである。組織でも個人でも状況的に追いつめられると、醜さも美しさも際立って発露するということがよくわかる。しかし、やはりやりきれない思いになるエピソードが多い。以下にいくつか挙げてみたい。
「アイタペ作戦の不可解な決断」
東部ニューギニアで、米軍の戦線の後方に取り残され、味方からの補給も望めず、かといって、敵を突破するほどの戦力もない、孤立した部隊・第18軍。軍司令官の決断は、玉砕命令でもなく、もちろん降伏でもなく、「適当に戦ってから、退いてジャングルで自給自足せよ」だった。なぜこういうことになったのか?
「関大尉の体当たりは不発」
特攻第一号の敷島隊指揮官として有名な関大尉。彼の零戦はこれまで護衛空母を撃沈したと信じられていたが、実際は彼の機の爆弾は不発で、小火災を起こしただけだったという。何ともやりきれない話。
「謎多き宇垣特攻の真実さがし」
玉音放送の日、宇垣中将が部下とともに特攻出撃に飛び立ち、帰還しなかったエピソード。通常このような場合は、将官自ら出撃したりせず、自決することが多い。宇垣中将や随伴した部下たちの心性とはいかなものだったのか。部下を道連れにしたとして批判されることが多いこの件に対して、著者はこう述べる。「いきなり"日本降伏"がやってきて、長官が特攻すると言いだしたとき、部下として『勝手に行ってください』と突き放せるものだったかどうか」考えさせられる一件である。
太平洋戦争の実相 ★★★★★
 題名だけを見ると軽い印象を受けますが,内容的には,文献をもとにしてかなりしっかりした考察がなされています。

 本書の構成は,日米開戦から終戦へと時系列になっており,内容は,比較的有名な逸話(「ルーズベルト大統領は知っていた?」など)から,一般にはあまり知られていない事柄(「『同盟国ドイツ・イタリア』との共同作戦は実現にいたらず」など)まで扱われています。読者にとっては,未知の話題は当然として,既知の話題でも,まさに「裏話」的な要素が盛り込まれていて,改めて太平洋戦争を再考する一助となるのではないでしょうか。個人的には,辻政信大佐の話題が興味深く,もっと詳しく知りたいという思いをかき立てられました。
 
 本書の文庫本という性格上,各話の掘り下げは十分とは言えません。しかし僕は,専門書でないにもかかわらず,よくこれだけの話題を扱えたものだな,と感心しました。

 「太平洋戦争研究会」という執筆集団には,他にも多くの著作がありますが,(僕が読んだ限りですが)大変まじめな考察と執筆がなされていると評価できます。

 本書がきっかけとなって,あの戦争を見つめ直す良い機会になれば,と思います。
興味深いウラ事情の30話。 ★★★★☆
戦略や戦術の誤り、謎、疑問、気になる30話を取り揃えている。将官の写真が多いというのが印象的だ。基本的にはよく網羅されているとは思うが、270ページで30事件だと、1事件当たり平均9ページとなる。これは内容的に物足りない結果となる。もう少し詳細に、或いは掘り下げての記述が欲しかった。各トピックについてその当時の状況の説明があり、これから詳しい記述があるかと思いきや直に最後のページとなり、また他のトピックに移ってしまう。私としては、第1章日米開戦、第2章南方攻略作戦、第3章戦局反転はあまり興味がわかなかったが、第4章「最後の決戦の謎」、第5章「終戦と混乱の謎」の方がミステリアスで参考になった。その中でも「本土決戦と阿南」、「宇垣特攻」、「シベリア抑留」、「辻政信、生きていれば105歳」、これら最終章のトピックスは何とも言いようがなかった。