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ヒーローと正義 (寺子屋新書)

価格: ¥861
カテゴリ: 新書
ブランド: 子どもの未来社
Amazon.co.jpで確認
これも一つの見識だが ★★☆☆☆
平成仮面ライダーシリーズは私も大人の観点から楽しませてもらっていますが、こうした製作サイドの人の子どもたちに対する姿勢をみると、多少とも異を唱えたくはあります。
 気になることとしては、白倉氏自身が製作を手がけたヒーロー番組への言及がほとんどないことです。古くは初代ウルトラマンから、近年のクウガやコスモスに至るまでの従来のヒーロー作品への批判はあっても、その批判を踏まえた氏の姿勢がどのように平成ライダーシリーズに生かされたのか、見えてきません。これでは説明責任を果たしたことにはならないでしょう。
 氏自身の基本的主張は「正義を疑え」「秩序を疑え」ということで、その動機は9/11に対するブッシュの「普遍的正義の押し付け」への抗議だとのことです。しかし「ブッシュの正義」に心から賛同した日本人が、一体どれだけいるでしょうか。むしろ9/11とそれに続く一連の事件は、この日本では「普遍的な正義」を説く立場をますます「いかがわしい」ものと感じさせ、相対主義的な雰囲気を助長するのに一役買った、といったほうが正しいでしょう。
 「正義を疑え」「秩序を疑え」というメッセージなら、今さらヒーロー番組で強調しなくても、それこそ19世紀末のニーチェ以来、盛んに繰り返されてきたことです。それどころか、この現代日本でもとうに「普遍的な正義」などいかがわしいものだとする雰囲気は存在している。むしろこちらこそ問題視すべきではないでしょうか。
 「既存の善悪の区別を絶対視しない」という批判的視点は確かに必要でしょう。しかしそれなら、時折「超兵器R1号」や「ノンマルトの使者」のような単純な善悪対立で割り切れないような話を時に織り込む、『ウルトラセブン』のような方法もある。最初から「混沌」では、基本的なモラル感覚すら欠いた子どもたちを、ますます世に送り出すだけのことになりかねません。
 白倉氏は別の場で「前に典型的な勧善懲悪ものの戦隊シリーズがあるからこそ、次の時間帯で平成ライダーのような作品を作れる」と語っていました。これこそ、秩序解体を唱える立場は、結局は「秩序」のパラサイトでしかない、ということの暗示でしょう。
伝えたい事が伝わっているか? ★★★★☆
著者はアギト・龍騎のプロデューサー。自分の作品にはあまり触れていません。
(依頼をした人は<そういう>ものを期待していたかもと本人も言ってます)
とは、言ってもクウガやコスモスの分析は熱心にされてます。
やはり自分の作品は客観的に見れないという事でしょうか。

怪獣は何もしなければ友(ピグモンなど)だが、怪人(鬼など)は何もしないのが悪らしい。
実際、桃太郎や金太郎の物語に鬼の悪行は描かれず、いきなり退治に行っている。
泣いた赤鬼のように人間に積極的に働きかけ、一芝居打ってまで
人間と交流しなければ悪とみなされてしまうのだろうか。

平成の勧善懲悪、マナーからルールへはなかなか興味深かったです。
平成マン、ライダーともに理由付けルールが強化され、
何をすべきかから、何をしてはいけないかにかわりつつあるという。
倫理や道徳を強化する事なく、同じ行為を評価する視座をかえるだけの禁止項目の増加。

アギトの時、記憶喪失の翔一の無免許運転に抗議が殺到したそうだ。
昔、巨人の星の花形は中学生なのにオープンカーを運転していたがこれはまた別問題。
人を助ける為のライダーにまず免許の有無を問う。
ネット等の発達で、意見や感想を伝えやすくなったという事もあるだろうけど、
大事なことや伝えたいことが本当に子供(視聴者)に伝わっているのだろうか、
と危惧を抱く気持ちもわからないではない。
公正とは言い難い論調 ★☆☆☆☆
平成ライダーシリーズのPDとして活躍の白倉氏という事で期待したが正直、がっかりさせられた。
正義と悪の二極化構造を手放しに子供に与えるのはどうかという考えは解らないでもないが、実際の映像作品で彼がやっている事等から考えると(例えばヒーローが車上狙いをやって見つかる>555とか)単にえげつない事をやっているとしか感じられないのだ。
しかも、自分はプロデューサー「補」として関わった(実質ノータッチに近いと別の所で本人が言っている)クウガについて
持論を展開する為に都合の良い所だけを抜き出してさぞクウガが正義の名の下に暴力を奮いまくっているような書き方をするについては、
(仮に裏で何があったか知らないが)持論にこじつける為の強引な嘘であまりに卑怯である。
氏の語る意見については充分共感できる部分もあるのだが、実作品を知らずにこの書のみを読んで、
昨今のヒーロー事情を把握した気分になって貰っても困る。
あくまで「こういう考えもある」程度で読まないと危険な「劇薬」的な書であると言っておきたい。
類書中最大の傑作では ★★★★★
 素晴らしい本である。
 題材は特撮作品で、古いところでは『ゴジラ』であり『ウルトラマン』、新しいところではごく最近の『ウルトラQ dark fantasy』等を考察に用い、二元論、都市論等の手法で切り口鋭く作品を解釈している。本論では「正義」を論じることを軸としているが、その過程で導き出される様々な周辺論をも丁寧に述べている辺りに好感が持てる。

 作者は特撮番組の制作者と言うことだが、このようにしっかりとした論理的思考を持ち、鋭く深い眼差しで作品を見つめられる人が制作サイドにいることで最近の特撮ブームがあるのではないかと思った。

 座右に起き、幾度も読み返すことになるだろう。切通理作氏の著書と並んで、特撮作品を内容本意で研究する際の基本資料となっていくだろう。
正義とjustice の差 ★★★★☆
どうも、アメリカの正義と日本の正義が違うんじゃないかという違和感を感じる人はおおいとおもいますが、それが何なのかを、説明できますか?

ヒーロー番組をつくってきた筆者の考える、「正義とはなにか」がここで説明されています。筆者の考えに必ずしも賛成する必要はありませんが、この問題を自分で考えていく際のヒントとしては適しているとおもいます。

私は、とりあえず巻末の参考文献リストから2冊ほど読んでみることにしました。