日本で出版されているゴスペル解説書で、文句なくイチ押しの本
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日本で出版されているゴスペル解説書で、文句なくイチ押しの本です。帯カバーの宣伝文句に偽りはありません。文字通り、これ一冊で、ゴスペルとはなんなのか、まったくの初心者からマニアックな方まで満足する内容です。装丁も美しく、図版、写真、対談多数で、奥深い内容をよくぞここまで分かりやすく解説されたと、塩谷さんのゴスペル研究家としての力量に脱帽するばかりです(シンガーとしての歌声はもちろんですが)。日本に一時的なブームを通り越してすっかり文化として根付きつつあるゴスペルが、黒人霊歌をルーツとする福音「Good News」を喜ぶ賛美のひとつであることが述べられています。世界だけでなく、日本のポップスシーンにおいても、ブラックミュージック抜きには語れない、いやむしろR&B、ロック、ブルース、ソウル、フォーク、ジャズほとんどの現代音楽のルーツをたどっていくとゴスペルにたどり着くといっても過言ではないかもしれません。2003年12月初版の旧版のものが絶版になって定価の1.5倍くらいのプレミアムが付いていましたが、ここに新しい内容が加筆されて、新版が出たのはうれしい限りです。