漏電検査
★☆☆☆☆
歴史上の人物を描いた小説や、ビジネス立志伝では、
自分が物語の中に入り込み、
精神的充電ができるので役に立つことが多いだろう。
しかし、その人物の話や人柄を、
他人に熱く語り始めると、どうだろうか?
相手に興味があれば、会話は盛り上がるが、
偶像を語る熱意が強いほど、話し手との間に見えない溝ができる。
実際に対面して話したり、憧れる人が書いた(と、される)文章を
読んだとしても、思考の全て知ることができるワケではないのに、
後世に残された書物のみに頼って、一方的に尊敬してしまう、
どこか親衛隊のような趣がある本書。
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あなたが尊敬する人物も、
見えないところで随分とエグい交渉をしたり、
黒い取引をしていることだろう。
大事なのは、人間の暗黒面も把握した上で清濁合わせて評価する、ということ。
物事の良い面だけ見ているのは、とっくに騙されている証拠。
他人の事物を浪費させることはあっても、
自分だけ浪費しないスタイルは、策士そのもの。
福沢諭吉に、騙されようとは思わないが、
時間、金、情熱を浪費しない姿勢や、些末なコトに悩まず、
自己投資としての勉強に明け暮れる生活には、学ぶべきものがある。
世知辛い時代を生き抜くには、策略を張り巡らさなければならない
場面にも遭遇するのだから。
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後半は福沢諭吉をベースに、他の有名経営者の話で
肉付けされ、水増しされてゆく。
茶色いお札の諭吉さんは大好きでも、
福沢諭吉の行動をまったく存じないようなら、
ザックリとした人物像のアウトライン把握にはなるだろう。
熱い!熱すぎる!
★★★★★
皆さんは一万円冊の顔の福沢諭吉がどんな人だったか知ってますか?私は本書を読むまであまり知りませんでした。もう、からっとしてて、惚れ惚れするかっこ良さです。
本書は非常に読みやすく、すらすら読めます。本文中には珠玉のエピソードが詰め込まれており、どなたにも参考になるものがあると思います。特に、これから自分の道を歩んでいく若い人にはぜひオススメです!
もう一回読みたいんだけど、失くしちゃったんだよなぁ ・・・
いずれ福翁自伝も読みたいなぁと思います。
諭吉から、また齋藤孝から何を学ぶべきか
★★★★★
齋藤先生は、諭吉からこんな偉大な遺産を受けとったぞ、とのメッセージ。
さらに一歩ふみこんで、あなたなら何を受け取れるのか、と問いかける。
諭吉への導入路であり、齋藤孝への入門書ともいえる。
歴史的な偉人の著書へのいざないの一冊。
ハウ・ツー金儲け、ハウ・ツー出世
★☆☆☆☆
中身を読んで非常に落胆しました。
俗な言い方になりますが、某IT企業の元社長で現被告H氏やファンド
のM氏に共通する「いかにしたら金を儲けられるか、いかにしたら早
く出世できるか」方法を『福翁自伝』『学問のすゝめ』等を参考に書
いている姿勢には感心できません。はたして筆者は福沢諭吉の人間性
や偉業をきちんと理解しているのか疑問に思います。
筆者は福沢諭吉を尊敬してるように見えるが尊敬の仕方と福沢趣味の
低さが目立つために記述内容に感心できない面が目立つし、同時に、
福沢諭吉の人間性と偉業を“きちんと”理解しているのか疑問を抱く
ばかりです。尊敬される福沢諭吉よりも尊敬する筆者の尊敬の仕方を
考えた上でこの本を読むことをオススメします。
決断と実行
★★★★☆
福沢諭吉は実行の人である。「考える」よりも「実際に動く」ことを重視する。もちろん、失敗しても他があると色々な分野に進出するなど、マルチな才能を持った人物であったのは間違いないのだが、それでも彼の成功の本質が「決断」であったのは間違いない。才能を考えるよりまず動くこと、なかなかできることではないかもしれないが、とても重要なことだと本書は気づかせてくれる。