・記紀の神々の項目
『古事記』ではどうか、『日本書紀』ではどうか、と別けて書いていてくれれば非常に利用価値のあるものとなったでしょうが、両書の内容を混ぜて書いてあるので、参考にする際には結局原典にあたらないといけなくなります。せめて、『古事記』に登場した神なのか、『日本書紀』に登場した神なのか、それとも両方に登場した神なのか、程度は書いてて欲しかったです。
付録として記紀に登場する神々の系譜図がついているのは有難いですが、少々誤りがあるようです。
・民俗の神様・神社
多様な民俗神を載せていることは評価できますが、本文には項目とは関係のない無用な内容が頻繁に見受けられます。
また、同じ説明文を複数の項目で使いまわしをしているところもあります。
巻末に天皇諡号(本書では「追号」としているが誤り)の出典を載せているのは、興味によっては重宝するかもしれない。
版を重ねれば分かりませんが、現時点では他の事典を買うことをお勧めします。
それらの本一つ一つも素晴らしいですが、あちこちばらばらにあるので調べものをするときに不便を感じることがありました。
しかし、この本はそれまでの著者の本を再度内容を確認し、五十音順に並べなおした集大成と言えるできです。
この本の内容はもちろん神様が主体ですが、それにまつわるお祭などについても言及していて日本の神話を理解する心強い味方になります。