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考古学ハンドブック

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新書館
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究極の考古学は、人間のありようを知ること ★★★★★
 考古学が「モノを対象とする」「歴史スル学問」であるであることは言うまでもないであろう。遺跡の発掘に始まるが、歴史の真相解明にまで至らねばならないはずで、そこに迫る接近法の道程が具体的に示されているとありがたい。本書は国内外の考古学略史に始まり、遺跡発掘・遺物遺構の保存と活用など各論の執筆分担に83名の専門家が関わっている。一項目1〜2頁の簡明で要を得た解説が見どころ。
 従来から掘らずに遺跡の規模を推定するボーリング調査があったが、近年地中レーダや電気探査が実績を上げている。そして、発掘調査の着手、進め方、検出と記録。遺物として動植物の遺体にも触れていて興味が尽きない。炭化コムギ種子など微細遺物の検出にはフローテーション法で選別される。
 遺物としての石器(切る・突く・穿つ・叩く・磨る)土器(煮る・蒸す・容れる)は用途によって微妙な違いがある。鳴器(土鈴)、祭祀具(銅鐸)、装身具(耳飾り)その他、道具論が展開する。
 名だたる遺跡紹介も魅力的である。三内丸山遺跡・吉野ヶ里遺跡・藤ノ木古墳・高松塚古墳他37箇所が写真付きで紹介されている。
 巻末は考古学年表である。三万五千年前の旧石器時代から、千二百年前の奈良時代までが略記されている。これらの事項から発信するメッセージを、しかと受け取りたいと念ずる次第である。本書はそのガイドブックになりそうである。