自信を育てられるということで、興味を持ち手に取りました。

(1)自負心についての解説や説明
(2)良い生き方、悪い生き方、エクササイズで気づきを得た人のケースストーリー（かなり豊富）
(3)実際にエクササイズするページ（文章完成形式で自分で考える）
という構成になっています。

説明部分は良かったのですが、
エクササイズ（文章完成法）の文の訳がイマイチ。
『私は×××な時、・・・でしょう。』（・・・の部分を埋める）
という形式なのですが、訳が直訳調で不自然なので、とてもやりにくい。
一部のエクササイズをやってみたところ
落ち込んでいる状態から前向きな考えが浮かんできたりしましたが、
とにかくやりづらいので全部やる気にはなれませんでした。

本にも書いてあるとおり、読むだけで終わらせるのでなく
実際にエクササイズをすることによって効果がある本なのでしょう。
きちんと使いこなせれば、こんがらがっている心の整理に役立ち、
等身大の自分を理解して、それに対する自信を持てそうです。
もう少しエクササイズに取り組みやすくなるような良い訳で
また出版されて欲しいです。

この本を読んでいくと、自分の存在の尊さ、自分の考えを表現することの大切さが分かります。ただ、日本語訳がちょっと硬いというか分かりづらい感じがします。同じように自尊心を取り戻せる本として『子どもを生きればおとなになれる―「インナーアダルト」の育て方』（クラウディア　ブラック著）がある（そちらの方が読みやすく理解しやすい）ので、合わせて読むのが良いと思います。また自尊心が低いうちは、自分の考えを上手に表現できない人が多いと思うので、「アサーション（自己表現）」を上手く出来るように、関連の本を読むのも効果的だと思います。

この本を読まれることをお勧めします。

「もし私が自分の幸せに責任をもつならば・・・でしょう」
「もし私が、自分に見えることを見、わかることをわかろうとするならば・・・でしょう」
（同書Part７−責任を持って生きる　エクササイズ２３−文章完成法「自負心を高める」pp168〜169より引用）

このような文章完成法というエクササイズの・・・に答えていくことで、
今まで気づいていなかった自分に向き合い、今後どうすべきかという問題にもまた、
自ずと答えを出していくことになる、という構成です。

このエクササイズの文章は答えやすく、また核心もついていて、
とてもよく、できていると思います。
すべてのエクササイズに答えるのがしんどければ、
初めは地の文を読むだけでも十分でしょう。

私は、落ちこんだとき、引用したエクササイズ２３をやるようにしています。
このエクササイズに答えていくと、不思議と気持ちが前向きになっていくのを実感できます。

私はこの本にであって、いかに無意識であったか、ということを知りました。意識的に生きるための活動も知りました。試してみてとても良いとわかりました。ぜひお試しください。

　この本はあなたの役に立つ本です。ただし実行なさってください。各エクササイズ（文章完成法）を順を追って　じぶんなりにこなしていくと、自分自身が愛おしくなるでしょう。読んだだけで終わりにするには惜しい本です。