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英語の授業づくりアイデアブック〈8〉中学2年 自己表現とコミュニケーション

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 三友社出版
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自分の思いの丈を英語化して口頭表現させる教育 ★★★★☆


第1部 生徒どうしが結びつく自己表現の授業 [阿久津]
第2部 自己表現とコミュニケーションのために
英語だって言葉なんだ [城由美子(埼玉・?市立東中学校)]
仲間と声響かせて [京香織(長崎・西諫早中学校)]
私のプリント公開します! [中川智子(東京・大森第七中学校)]
第3部 出発点としての自己表現
自己表現を出発点とするコミュニケーション活動を [西野]
生きる力を育む自己表現の指導 [阿原]


監修者のあはらしげみつは1936年(東京市牛込区?)生まれ。東京学芸大学(英語科)卒業(60年,24歳)。都内複数の中学校に奉職後,法政大学非常勤講師(英語科教育法,93‾04年,57-68歳)。和光大学(教授, 03‾07年,67-71歳)。本書刊行時に監修者は69歳で,元気塾・勇気塾主宰。新英語教育研究会副会長。全国到達度評価研究会常任理事。ベトナム枯葉剤犠牲者のための「ベトナム友好村新日本委員会」代表。書いている内容からしても,こんなんの代表してることからしても,左翼です。本書寄稿の阿原の文章は,『英語教育』が初出だったらしいが,「大修館の『英語教育』[英語教員向け専門雑誌――BCKT]は,英語教育界の大御所オールスターのオンパレードの中で,中学校,高等学校の現場からの唯一の」原稿だったらしい。当時からの高い評価をうかがわせる事実である。しかし,69歳にしてすごい情熱だと思う。
編者の阿久津仁史は上智大卒(出生年地は不明)。筑波大学にてカウンセリング修士取得。文京区立第八中学校(教諭)。
もう一人の編者である西野孝子は,ICU卒(出生年地は不明)。テンプル大学日本校にて教育学修士取得(TESOL)。法政大学非常勤講師、神田外語大学非常勤講師。
第2部執筆者の3人の基本属性は調べるのがめんどーです・・・。ごみんなさい。


阿久津はカウンセリングの修士号を持っている。監修者には「いじめは授業で無くす」みたいな題名の著作がある。これらのことから感得される本書最大の特色は,自己開示を促すような授業展開を志向していることだ。阿久津は,英語授業を通じて”生徒どうしを結びつけよう”と試行している。阿原の寄稿題名は「(生きる力を育む)自己表現の指導」であった。つまり,象徴的に言えば,英単語を口から発音するのではなく,自分の思いの丈を英語化して口頭表現させる教育を志向していると感じられた。思春期の難しい年頃の世代に対する配慮である。「現場」を経験しているからこその視角だと思う。さいきん手にした『英語コミュニケーション能力評価事例事典』に比べても,意思表現と他者了解の能力育成・増強の手段としての授業案として,執筆者数こそ少ない(6人)が,負けてないと思う。


この『事例事典』もそうだったが,本書には索引がない。それが惜しまれる。これはどちらかというと,出版社の編集方針に責めを負わせるべきこと。


しかし,「音声による自己表現のコミュニケーションは,新英語教育革命の目玉である」(阿原,あとがき,142頁)とのことだが,ではそれまでの英語教育(旧英語教育?)にはそれがなかったのだろうか? 私のヤマ勘だが,それまでは「自己表現」能力を普通の平凡な中学生に求めるのは難しすぎるとして忌避されてきたのではなかっただろうか? さらに,他者理解という視角――相手にどうしても同意できない事態での対処など――には,英語教育界では,どこまで配慮されているだろうか?(1374字)
英語をリラックスして教えられるようになる一冊 ★★★★★
本書の帯には「生きたコトバを学ぶ。教える。楽しむ。」とあるが、全体を通じて最も印象的に浮かび上がってくるのは、「楽しみながら教える」ためのたくさんのエッセンスだと思う。
各項目ごとに「到達目標」が示された後、「指導手順」や具体的な教材案、言語活動例等が詳細に紹介されると同時に、筆者が実際に授業を行った時のエピソードや各ページの右端に設けれたワンポイントアドバイスの欄など、第一線で活躍してきた著者だからこそ書ける、本当に役に立つ実践書であると言える。
しかしこの本が優れているのは何よりも、無駄に力むことなく本当の意味で自然体で実践された英語の授業というものを示してくれるところであろう。英語のスキットや教師との英問英答の最中であっても、必要ならばどんどん日本語の表現も取り入れる姿勢や、生徒の日々の経験をしっかり見据えたうえで生徒の状態に応じて授業を創っていく様子などに触れると、ただただ英語を使わなければと力むよりも、目の前にいる生徒をみて、生徒から出ているパワーに乗って共に授業を創り上げていくことの重要性をあらためて感じる。
本書を通して様々な教授方法や教材を知り、実践に役立たせられることはもちろんだ。しかし単に教材や活動を提示するだけでなく、常に生徒と向かい合う余裕をもって授業に臨むという、重要だがなかなか実行できない姿勢も自然と伝わってくる一冊である。
オールイングリッシュの授業に困っている誠実な先生方へ ★★★★★
「何で英語がつぶれて○○がつぶれないの?」と健診で授業がつぶれる時に生徒が言うようになったのはいつからだろうか? 生徒の声に耳を傾け始めた時からかな…。 というような書き出しで始まる本書を読むと、常に生徒に寄り添っている著者の姿勢がひしひしと伝わってくる。とりわけ、『生徒からの通知票』には、まさに目から鱗、であろう。生徒からの良い評価のみならず、マイナスの評価ですら肥やしにしてしまう著者の懐の深さは、小学校から大学までの全ての英語教師が範とすべきであろう。読めば、明日からの授業に役に立つだけでなく、今までの自分の授業を深く顧みることができるであろう。
すべての英語教師へ ★★★★★
 カウンセリング修士も修めた編者は、無限の可能性を秘めた生徒たちを英語嫌いにさせないための授業作りの実際を、情感豊かで親しみやすい語り口で紹介し、忙しい現場の教師達を応援している。授業の改善に悩む教師達を原点に立ち帰らせる基本原則は、1)授業の目標が明確で何のためにそれをやるのか生徒が分かっている(明確な到達目標)、2)目標達成のためにやるべきことを生徒が分かっている(効果的な指導法)、3)授業の成果が子供も親も実感できる(適切な評価)ことという。
 他の執筆者達からは・・・
 「どんなに短くても、たとえ間違っていても、彼らの『思い』が相手に伝わる・・伝えたい思いを表現することこそが『自己表現』」
 班員共同の音読で生徒が書いた感想は、「何日も何日も読んで読む姿勢をよくして・・言葉に生命を吹き込むように読むととてもよいアクセントになった・・本当にやった甲斐があった。自分でも信じられなかった」
 「お互いを認め合い、励まし合う暖かいムードが皆さんの挨拶や質問に、にじみ出ていました。頑張ればここ(学年全体でのスピーチ大会の大成功)までできます!」
 「(第二言語ではなく外国語である)英語では限られた表現しか使えないからこそ、素直でおおらかで正直な表現がでる。限られた中の共感であるからこそ心を開いて驚き、笑い、感動できる」
 このように素晴らしい実践報告を束ねる監修者の篤い信念は全編を貫いて、読む者に静かな感動を与える。「(卒業して行った生徒達にかつて)痛切に謝りたいと思ったのは、子供達に自分の本当の思いを口に出し表現する意欲も力も育ててなかった、ということであった。これが新しい授業改善の中心のテーマになった」
 中学生を教える教師のみならず、英語への苦手意識に染まった高校生を、あるいは英語好きになれないまま大学生になってしまった学生を何とか救いたいと暗中模索する教師たちにも、降り注ぐ光明のようなヒントがたくさん見つかるカンフル剤である。