自分が癌になったのでこの本を読みました。確かに癌の患者さん向けの食事療法が書いてありますが、それよりも長い間、悪い食事を続けていると病気になる、ということがこの本の白眉と思いました。働きづめで、毎日お弁当やチェーン店で昼夜食事をしている若い世代に、今のうちから食習慣を治していかないと将来大きな病気になる可能性があることを知っておいて欲しいと思います。奥さんもご主人の健康を気遣うなら、毎日の食生活で相当予防ができることを、まして自分の可愛い子供達にとっては、親の知識が全てです。その意味で、この本には私達が毎日何を食べているのか、それがどうして体に良くないのか、であれば何をどのように食べればよいのかという食の基本が書いてあります。全部読む必要はありません。前半だけで知識として十分です。惜しむらくは、癌にでもかからないと、食事に手間とお金をかけられないことでしょう。でも知っておくことは大切です。20代以下の若い人にこそ、読んでもらいたいと思います。

「完全食」と銘打ってあるだけに、著者が提示するメニューを完全に実行するのはまず無理とは思ったが、少しでも近づけようと実践を始めた（実践といえるかどうかは疑問だが）。
まだ１０日ぐらいしか経っていないが、胃がすっきりし、腸も調子がいい。なにか、限りなくがんから遠ざかりつつあるような気がしてきた（これだけでも感謝）。

専門家ではないから有効性については云々できない。しかし、食生活の改善に向かわしめる力が本書にはある。そして世のグルメといわれるものが、いかに体をむしばむものであるかを実感する（医学の素人なので、こうとしか言いようがないのが残念）。

　矢継ぎ早に出版される“済陽式食事療法”の本が、今度はハンディな新書サイズで登場です。済陽式食事療法は、高level強gradeのevidenceに基づいた、医学的科学的価値の高い治療手段です。
　「がんは、高血圧や糖尿病と同じ「生活習慣病」」との思想には、第一線の臨床現場に立つ者として強い共感を覚えます。癌だけでなく、糖尿病，高血圧症，脂質異常症，痛風、そしてアレルギー性疾患に悩む方も、中々に厳しい内容ではありますが、どうか一度は済陽式食事療法にtryしてみて欲しいと思います。
　ただ個人的に、後世まで残るであろう歴史的名著「今あるガンが消えていく食事」に比較すると、農薬や食品添加物の危険性を殊更に強調している，「食品はまるごと摂取してこそ効果がある」と記述する一方でβグルカン等のサプリメントを推奨する、など科学的根拠の裏付けが“？”な“予断”が散見される点が少し気にはなりました。

内容の濃い本です。
ヨーグルトの大量摂取は健康をそこなう恐れがあり賛成できませんが、
それ以外はまともな内容で役に立ちました。

　この著者の本を何冊か読んでいます。通していえるのは著者のガン治療への真摯な姿勢です。それがよく出ているのが治療中に亡くなられた患者さんの記述です。自らの指導の反省も含め悔しさがにじみ出ています。進行ガンで６０％を超える有効率という数字も凄いがこの失敗例の記述部分にこそ、著者の食事療法への情熱が垣間見えます。著者がベテランの消化器外科医であって、3大療法の必要性と限界を説いているのも私の信頼を厚くしています。
　私はガン予備軍です。家系的にガン家系です。年齢も中高年になりますますリスクが高くなりつつあります。ガン系は遺伝とあきらめに似た心境でした。しかし著者の提唱する食事療法・八つの原則で自分のガン体質を変えようといま自分を勇気付けています。新書サイズのこの本はいつもバッグの中にあり、時間があるとき必ず目を通します。いまの私の「お守り」です。