“体系的・詳しい・解り易い”…三拍子揃ってます!!
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ラージャ・ヨーガの“前五段階”の修行法(=パタンジャリの“八段階から成るヨーガ修行法”の第1〜5段階に相当する“禁戒・勧戒・座法・調氣法・制感法”の修行法)が体系的に詳述されています。
ヨーガ行法の大前提である“禁戒”と“勧戒”、ハタ・ヨーガの“座法”277ポーズ、“調氣法”60種類、“身体浄化法”13種類、“ムドラー”15種類、そして諸感覚器官の働きを制御する“制感法”が、順を追って整然と語り尽くされています。
特に“禁戒・勧戒”の章は、身・口・意三業の観点から詳細な解説が加えられており、他書に類を見ない充実した内容になっています。
著者のスワミ・ヨーゲシヴァラナンダ師は、20世紀後半期のインド最高のラ−ジャ・ヨーガの導師だそうで、ヒマラヤ山中で84年間修行を続け、1985年に99歳で入寂したとのこと。文章表現の端々に、“実践者”の言葉の重みと“修行者”の厳しさと“宗教的覚者”の優しさが、ジワーッと滲んで伝わってきます。その語り口は極めて理知的で愛情深く、不思議な鎮静効果・癒し効果があるような気がします。
正味440ページ余りの大著なので、読破するのはそれなりに大変ですが、自宅ヨーガ歴20年の私にとって“目から鱗”の解説が随所にあり、繰り返し読み返す価値のある“一生モン”のヨーガ本だと確信しています。
ちなみにこの本は、1987年刊「実践・魂の科学」を新装改題したものです。