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「カルト」を問い直す―信教の自由というリスク (中公新書ラクレ)

価格: ¥819
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論新社
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原則リベラリズムが招く災厄 ★★★★☆
北大の宗教社会学の先生が学内にはびこる壷売りに困り果て書いた本
国公立大学は特に心境の自由を重んじる余りカルト系サークルに対して放任であり
(著者はこれを「原則リベラリズム」と呼ぶ)
またいきなり自由でしかもクラスや先生とのつながりがない空間に放り出され
学生が途方に暮れてしまいつながりを求めざるを得ないことに
学内カルト擬装サークルの繁栄の原因があると考えている。胴衣
面白かったのがオウムの受け入れを拒否した世田谷区や龍ヶ崎市の話
オウムを追い出そうと苦闘する住民と行政に対して
人権派(笑)団体が押しかけて住民の反対運動を批判するのであるが
反対運動曰く、「この反対運動は政府によって作られた官製運動であり
反オウムの世論によって自由を抑圧し管理社会にしようとする陰謀なんだ」という
なんかオウムが選挙落ちたときの言い分とそっくりなんだよな
人権原理主義からすればカルトを排除する運動ですら民主主義崩壊の原因になるという
そりゃ原理主義からすれば理屈の上ではそうだろうけども
原理主義者は一般人の漠然とした不安には向き合おうとしない所に問題があるという
そして著者はそういう対立をこう要約する
「どうして自分たちだけがやっかいな問題を引き受けて、人ごとのように正論を言って済ます意図立ちの言い分を聞かなければならないのか」
そしてこの対立が残る限りはオウム信者などは影で差別されるだろう、という
オウムは残滓も含めて一度滅ぼす必要があると思うがそれはさておき
ここで著者はどうしようもない余談に踏み込んでしまうという
なぜかオウム反対運動が靖国の話につなげてしまうのである
反オウム住民∽特亜の国民、オウム∽靖国。イミフ
オウム信者の残党は自分の団体が何をしたか、という歴史感覚がなく
それは戦争責任に鈍感な日本と同じなんだという
それをいうなら反靖国は官製運動な面もあって人権派(笑)の陰謀論に相当するのが正しいことに
余談をのぞけばカルトの問題を俯瞰するのにも役に立つし
またカルトとか宗教とか自由とかを考え直すことで思考のトレーニングにもなるのではないだろうか
面白いけど靖国云々は完全な蛇足なので星一つsage
自分自身の経験から ★★★★★
 私が大学入学間もない頃のことである。友達になった子が「いい所に行こう」と誘ってくれた。「いい所ってどこ?」と聞いても教えてくれなかったが、その子の言葉を信じ、初めて授業をサボってついて行った。連れて行かれた所は、ある宗教(新宗教)の道場だった。私は怒って帰った。人間不信に陥りそうだった。
 本書に登場する統一教会にも勧誘されたことは何度もある。いつも意識調査のアンケートだった。当時なぜか私はそのアンケートが統一教会によるものであることを知っていた。だから相手にしなかったが、別の方法で誘われていたら、知らずについて行ったかもしれないと思う。先に挙げた宗教にも、いきなり道場に連れて行かれたのでなかったら、宗教とは知らずに通うようになっていたかもしれない。
 こうした経験から、他人事とは思えずにこの本を読んだ。この本に書いてあるように、「『カルト』問題とは無関係の人たちも、突然この社会問題と直面させられる可能性がある」ということは、よくわかる。私が大学での学生生活を送った時代に、「カルト」という言葉はあまり聞かなかったように思う。でもこの本が指摘するように、今では誰しもカルトに無縁ではいられない。この状況にあって、如何にしてカルトから身を守るか本書を読んで考える必要があるのではないだろうか。
大学にも「カルト」問題はある ★★★★★
 「カルト」という言葉自体は、テレビや新聞などのマスメディアを通じて幾たびとなく聴かされ続けたものだが、いざ説明するとなると、きちんと説明できる人は少ない。報道されなくなった「カルト」問題の多くが、いまだに解決されていないということを知っている人は、さらに少ない。それはきっと、対岸の火事であって、自分には関係がないとタカをくくっているからなのだろう。
 だが、この本は、そうした甘い考えに対して警告を発している。とりわけ、大学キャンパス内での問題は、櫻井氏が大学教員であることもあって、深刻さが伝わってくる。キャンパスで勧誘されて入信し、最終的には犯罪行為に手を染めた若者たちを、私たちは幾度となくテレビで見てきたはずだ。それなのにもかかわらず、学生がそうした「カルト」に対して無知であること、「カルト」が団体名を偽って勧誘していること、それらへの大学側の対応が甘いこと。こうした現状を、多くの人は知らない。
 櫻井氏は、この問題に取り組んできた研究者で、いわば「カルト」の専門家である。氏は、自らの学問的な調査に裏付けられた事実に基づき、「カルト」問題がいかなる形で現れているのか、そしてその核心にあるものが何なのか、を鋭く描き出す。そして、『法律が「カルト」を解消できない以上、私たちはどのように対処すべきだろうか?』というのがこの本の全体を貫く問題意識なのであるが、それを単なる評論に終わらせず、具体的な解決・対処の方向性を示しているところは、まさに注目すべき点である。

 これから4月の入学シーズンを迎える。新しい生活を送る不安に、「カルト」はそっと忍び寄ってくる。だから、一人暮らしを始める子供を持つ親御さんには特に、この本が役に立つのではないだろうか。