しり上がりによくなってます
★★★★★
もともとファンタジーを書いていて、コミケでスカウトされた著者。
とはいえ名を上げたのは飼い猫と自分の暮らしをコミカルに描いた「ゆず」シリーズ、レポートマンガの「おさんぽ大王」。
その後もファンタジーは書いていたが、元々それ程売れる分野でもなく、著者には「ネコマンガの人」というレッテルがついて回っていた。
しかし、その飼い猫「ゆず」の死後に書かれた庭先案内シリーズは、著者のこれまでの長所でもあり欠点でもあった、どこか下町的な「泥臭さ」「血の熱さ」がだいぶ薄れ、洗練されてきた。
特にこの3巻で、。。命の尊さ、愛する存在の大切さを描いた作品は泪を誘った。やたらいい人だらけの「幻燈機4」家族の歴史を再体験する「ワンナイト スゥイング」など。 3巻中最高作といえるだろう。このまま、やがて「ファンタジー作家」としての地位を決定的にして貰いたい。