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禅と禅芸術としての庭

価格: ¥2,000
カテゴリ: 単行本
ブランド: 毎日新聞社
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日本における禅の庭の発達史 ★★★★★
曹洞宗建功寺住職であり、同時に現役の作庭家が、禅の庭をやさしく解説しています。美術史家や我々は、偶に訪れて、禅の庭を美的対象として鑑賞します。しかし、そこは元々、禅寺の宗教儀式を執り行う場、また住職が日常居住する住居の一部として作られました。ですから、その理解には、禅宗の儀式、また禅寺の建築様式・配置の知識が必要です。他方、禅の庭は、造園業者が建物の外構工事として作る庭とも、違います。禅庭は、禅者である作庭者が、己の修行の境涯を、外の形に表したもので、作庭者の禅境地の表現そのものです。そのために、禅思想自体の把握が十分ないと理解できません。

この立場から、著者は、禅庭を理解する前提として、○中国と日本での禅宗の歴史に、本書の半分を割いています。○さらに、その禅から生まれた中国と日本の禅芸術全体が見渡されています。○また建築形態の説明として、寺院の建築の配置、禅宗の伽藍を、詳説。現在まで残っている禅庭は、大寺院にある塔頭の方丈に多いそうです。この混乱しやすい塔頭(たっちゅう)・方丈(ほうじょう)・その南庭・北庭等の言葉が、やさしく解説されて、日本の禅庭の在り処がはっきりします。○鎌倉の建長寺や山梨の東光寺を作庭したとされる蘭渓道隆、京都の西芳寺・天龍寺の庭に関わった夢窓疎石などの事績が紹介されて、独自の枯山水に至るまでの日本禅庭史を通覧しています。特に禅の庭は臨済宗に多く、その大徳寺派と妙心寺派の関係なども、詳しく書かれています。○作庭したとされる禅僧、石立僧たち、また実際に作業した山水河原者などの列伝があります。

禅は、難しい禅学談義に陥らずに、背伸びせずに真っ直ぐ説かれています。臨済宗が、古則公案だけでなく、作庭あるいは庭と向き合うのを、曹洞宗のいう現成公案とみなしたという話は、部外者にも、分かりました。日本独自の禅庭が、どう出来たかが、全体の流れとして頭に入ります。