良寛さんの深い知恵はどこから……
★★★★★
無邪気というか、かしこいというか、
すごいというか、愚かというか……人の目や常識にとらわれず、
やってみる、没入する、なりきるというか、
そういう良寛さんの逸話がたくさんのっていて、
不思議な感動にこころ満たされます。
少しだけご紹介です。
ある人が良寛和尚に
究極の悩み事を相談しました。
「自分は百年生きたいのだがこればかりは……」
良寛和尚は答えました。
「今日までで、既に百年生きたと思えばいいんじゃ」
(私は目からウロコでした)
良寛和尚にある人が「お金を拾うのは
とても楽しい」と教えました。
良寛さんは自分のお金を(何と)自分で捨て、それを
また自分で拾いましたが、楽しくもうれしくも
ありません。(そりゃそうです)
彼の言ったのはウソだったと疑いながら、
それを幾度も繰り返しているうちに本当に
お金をなくしてしまいます。
探しまわったあげくにやっと見つけた時に、
良寛さんは「男の言ったことは本当だとわかった」と喜んだそうです。
これは、お金のことだけではないようです。
(似たような笑い話があったようですが)
本書にはとてもたくさんのっています。
幾つかは本当かどうかわかりませんが、
桁外れの純粋さ(愚鈍さ)から元気をいただきました。
現代文なので誰にでもすらすら読み理解できます。