家庭での菊つくりに
★★★★★
普通、菊についての園芸書というと、品評会に出品するための高度な技術について書かれたものがほとんどです。冬至芽を分け、挿し芽をし、それを植え替え、更に・・・と何やら面倒。普通に庭やベランダで小菊を育て、切り花や仏壇用になればそれでいいと思っている人にとって、仕上がりを気にしない場合はどこまで手を抜いていいのか、この本を読むとよくわかります。
著者は、わかりやい説明で、菊以外の花を育てる場合にも役立つような情報を提供してくれています。同じ著者の「菊つくりコツのコツ」などを読んでもそうなのですが、作業ひとつひとつについて、何故そうするのかという説明がされているので、作業の目的によって、省いても良いのかどうかという判断ができるところが、気に入りました。
この本は、「ズボラ作り」と称した植えっぱなし花壇や、秋に小さな蕾を挿し芽して室内用の可愛い鉢植えを作る方法などが書かれており、家庭で小菊を楽しみたい人にオススメです。
展覧会などに出すような菊を作りたい人は、「コツのコツ」の方がいいかもしれません。