維新で活躍した政治家たちが、どのような思想的・宗教的理念に基づいて行動していたかを解明する。視点はおもしろいけど、記述が淡々とし過ぎていて読みにくい。神道のそういう背景があったから、で、何なのかという疑問は最後まで解けなかった。それらを明らかにすることで何が分かるのだろうか。

　若くして亡くなった保守派の論客によって描かれる日本の近代のスタート。
　まず戦後日本の左派的史観、特に講座派の歴史観を批判的に検討し、保守的な立場からの視点から歴史像を描き出す。それは幕末から始まり、戊辰・西南戦争を経て伝統的アジアの秩序から近代的国民国家として自立していく日本の苦悩と努力が示される。
　その多くは一般に説かれている左派的なバイアスを一つ一つ実証的に解きほぐし、現在につながる現代日本の構造を提示してくれる。