物語の舞台であるリンデンコップ村でも、ナチス党員の軍靴の音が聞こえるようになり、盗聴や検閲が行われ、反対者が強制収容所に連行されるようなことが起こります。これは、そんな村の教会に赴任したグルント牧師がナチスの圧力に抗した記録です。彼は、デモやボイコットをしたわけではありません。時代がどんなに暗くても、圧力に屈せず自分の信仰を曲げない。ただそれだけのことに心を打つものがあります。