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近代の秀句―新修三代俳句鑑賞 (朝日選書)

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 朝日新聞社
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著名な俳句作者が書いた明治・大正・昭和三代の秀句鑑賞の書 ★★★★★
著者の水原秋櫻子は抒情性に富む言葉の豊かな俳句作者という印象を持つ。この著者水原秋櫻子は自序で「俳句作者は、まず言葉の正しい使用法を知り、これを俳句表現に活かしてゆかなくてはならぬ。そうして自然の美におどろいた時の感動をそのままに言葉の上にうつし出さねばならぬ。このためには、やはり先輩の作例を学ぶにとどめず、進んで他の文学、ことに古今の短歌の傑作を範として、勉強する必要がある。・・・つまり古画に引かれた単純なる一線の現わすものと、俳句の一つの言葉の現わすものとが同じような意味と価値とを持つようになる。・・・」と述べている。

各句は必ずしも当該作者の代表句ではないようであり、著者の選による秀句であろう。簡潔な解釈・批評があり、また、著名な俳句作家としての視点からの解釈・批評であり、十分楽しめる。いくつかの秀句を以下に引用してみよう。

草に置いて提灯ともす蛙かな 高浜虚子
菫程な小さき人に生れたし 夏目漱石
鮠釣の夕日に流す細江かな 村上鬼城
風呂の戸にせまりて谷の朧かな 原石鼎
桜餅買うて水行く隅田川 本田あふひ
炉塞いで淋しき部屋を去らでゐる 藤田耕雪
麗かに遅々たる尼が箒哉 尾崎迷堂
麗かや松を離るゝ鳶の笛 川端茅舎
砂浜に雑魚うちあけて月涼し 正岡子規
すたれ行く町や蝙蝠人に飛ぶ 高浜虚子
絶壁に眉つけて飲む清水かな 松根東洋城
初蝉やうす黴出でし旅鞄 島村元
真菰江や漕ぎかくれたる先の舟 柴田宵曲
石踏んでわたれば岩魚走りけり 山口青邨
尾長来ていよよたわわの若楓 川端茅舎
窓の灯の草にうつりて虫の声 正岡子規
我が声の吹き戻さるる野分かな 内藤鳴雪
けふの月馬も夜道を好みけり 村上鬼城
小春日や石を噛みゐる赤蜻蛉 村上鬼城
冬の蟇川にはなてば泳ぎけり 飯田蛇笏
俳句を作れても読めない? ★★★★★
世界最小の詩形である俳句の最大の欠点は、省略された部分を補う必要があるということです。
秀句ほど省略が施されています。
そこで、明治・大正。昭和の代表句を例に用い、省略を如何に補い理解していくかを丁寧に解説してくれているのが本書です。
秋桜子による解説、一読して損はありません。