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運命のボタン (ハヤカワ文庫NV)

価格: ¥882
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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恐怖をベースに人生の悲喜劇をブラックに描き上げる怪奇幻想の巨匠の日本最新傑作選。 ★★★★☆
20世紀後半のアメリカで活躍し後の多くの作家達に影響を与え続ける偉大な作家・脚本家で、旧作の映画化も活発に進み今尚高い人気を誇る怪奇幻想の巨匠マシスンの日本オリジナル最新傑作短編選集。著者はここ最近21世紀に入ってから執筆されておらず新作が読めないのは残念ですが何せ今年84歳のご高齢ですから無理からぬ所で、それでも記憶に新しい映画「アイ・アム・レジェンド」の大ヒットに続いてキャメロン・ディアス主演で初めて映画化された「運命のボタン」で相変わらずの人気の高さを感じさせ健在振りを見せてくれています。四十年前に書かれた作品が現代に映画化されても全く古びず違和感がないのは著者の作品が時代に左右されない普遍性を備えている事の証しだと思いますし、本書収録の全13編を読んで懐かしく古くて新しい作品世界の魅力を改めて実感しました。それから今回の作品には自分だけでなく愛する家族の身に降り掛かる不幸が描かれている点を顕著に感じましたし、意外にも無慈悲に幕を閉じる悲劇だけでなく最後に丸く収まる軽妙な喜劇も著者の持ち味のひとつである事に気づきました。
『運命のボタン』平凡な主婦が奇妙な選択を迫られた末に迎える無慈悲な運命。『針』呪いの人形の物語に巧みな捻りを加えた掌編。『魔女戦線』無邪気な少女達の正体は実は魔女で・・・・幼さと戦争で発揮する力との不気味なギャップ。『わらが匂う』妻を亡くした男に怪異が襲い掛かり、やがて意外な真相が判明すると共に衝撃の結末が訪れる。『チャンネル・ゼロ』刑事が少年の事情聴取を行う形で進む怪しく血塗られた父母消失の謎。『戸口に立つ少女』ある夫婦が経験する愛娘の身に起きた戦慄の悲劇。『ショック・ウェーヴ』80年を超える年代物のオルガンが起こす恐怖の顛末。『帰還』未来への時間旅行の途中で事故に遭った男の哀切な夫婦愛を描く悲痛ながら本書一番の力作です。『死の部屋のなかで』異次元と結ぶ扉を描く恐怖小説と思わせて・・・・この結末には期待はずれでがっかりです。『小犬』母と幼い息子の絆を引き裂こうと何度でも執拗に現われる不吉な小犬。『四角い墓場』旧式の拳闘ロボットが故障してしまい自らロボットに扮して最新鋭のロボットと対戦する元ボクサーの中年男の無鉄砲だが気迫溢れるど根性。『声なき叫び』テレパシー能力を持つ超能力少年が実の父母を火事で失い引き取られた保安官夫婦の家で初めて温かい家族愛を知る感動の物語。『二万フィートの悪夢』飛行機の機体にしがみつく怪物を飛行中の窓から目撃した男が誰にも信じてもらえず一人で挑む孤独な戦い。
本書の刊行は日本で新たな世代のファンを獲得させる契機になると思いますし、古くからのファンの私としては例えB級作品でも結構ですので今後も未訳作品がどんどん紹介される事を願っています。
リチャード・マシスンの紡いできた恐怖 ★★★★★
 1950〜70年代のマシスンの幻想的ホラー作品を集めたアンソロジー。

 なんといっても喜ばしいのは、表題作が邦訳で読めること。
 マシスンの短編集『激突 (ハヤカワ文庫 NV 37)』の巻末解説の中で「(編者の)小鷹信光氏がこの内容を凄みたっぷりに紹介して」いた作品です。

 以来、30年以上の歳月を経て、こうして文庫で邦訳が読める日が来るとは。
 くだんの「小鷹信光氏の紹介」によってあらまし展開は分かっていましたが、実にマシスンらしい強烈な恐怖を伴う結末に、今の私はやはり震えあがったのです。

 80年代のTVドラマ『新・トワイライトゾーン』で映像化された表題作をTwilight Zone: 80's - Season 1 (6pc) (Full Dol) [DVD] [Import]で見直してみました。
 マシスンはそのオチについて「製作スタジオには、他人の脚本をいじってダメにする連中がいる」と嘆いたとか。確かにTV版はマシスンがどういう作品世界を紡いできたかについて理解していないようです。

 マシスンが小説で描こうとした恐怖は<他人(ひと)を完全に理解することはかなわない、他人に完全に理解されることもまたかなわない>という絶対的孤独が与える恐怖です。TV版ではその恐怖が描かれていません。小説『運命のボタン』(そして本書所収の『二万フィートの悪夢』と『死の部屋の中で』)が人々を凍りつかせるのは、まさにこの<人と人との理解がかなわない>社会の怖さにあるにもかかわらず。

 <人と人との理解がかなわない>世界とは、他者との間に理解という名の温もりを絶たれた絶対零度の世界ともいえるでしょう。そこに震えあがる恐怖を感じない読者はいないはずです。
映画とは違うけど ★★★★★
切れ味のいい短編が収められていて、お買い得。
最後の「2万フィートの悪夢」は前に他の短編集で読んだが、
翻訳が新しいせいか、古さは感じなかった。

今回の映画「運命のボタン」は原作とは違うものになっていたのが
楽しくもあり、がっかりでもあったのだが、
映画化進行中という「四角い墓場」はどうなるだろう。
他にも、映画になりそうな短編がいっぱいなので
映像関係の方は、必読かも。

異色作家短編集の読者は勿論買いです。
まさに「ミステリー・ゾーン」 ★★★★★
訳者の「解説」を読んで、この本が幼いころに見たテレビ・シリーズ「ミステリー・ゾーン」そのものだと言うことに気付きました。
もちろん、ここに収められている13編のすべてが、このシリーズのために書かれたものではありません。
でも、そこにはまさに「ミステリー・ゾーン」の要素が、きちんと収まっています。
ですから、それは非常にアイデアに満ちた内容であり、しかもそれは映像的です。
更には、考えれば考えるほど「ホラー度」が増してきます。
もちろん、「落ち」もしっかりしています。
だからこそ、ここに収められたすべての作品に引き込まれてしまったのでしょう。
個人的に好きだったのは、表題作「運命のボタン」と「四角い墓場」でした。
つい買ってしまいましたが ★★★☆☆
SFやホラー映画が好きなので、マシスンの邦訳本のメジャー所はだいたい読み
ましたが、総じて、この作家の作品は映像向きだなと感じます。

逆に言うと、読みものとしては物足りない話が多い気がします。
でも、それが分かっていても何故か買ってしまうんですけどね(笑)

マシスンを読んだことの無い人は、ロアルド・ダールみたいな作品を期待すると
ちょっと肩すかしをくう場合があるかもしれません。

ミステリーゾーンとかに特別な思いを持っている人が楽しむ作品だと思います。