隠れたパワースポット。
★★★★☆
中矢伸一氏の『日月神示』の中に幣立神宮のことが紹介されていたことから、手にした一冊。
この神宮にはアメリカの政治決定を判断する霊能者が参拝するという。近年、その霊能者たちのパワーが落ちているので、わざわざ九州山地の阿蘇の幣立神宮に参宮してパワーをもらうのだという。幣立神宮など聞いたこともなかったのでインターネットで調べると、やはり、本書が紹介されていた。
「スピリチュアリズム」という言葉は江原啓之氏の専売特許かと思っていたが、昭和40年代から著者の春木秀映師が使われていたことに驚いた。さらには、神社でありながら旧約聖書、新約聖書が奉納されていたり、ユダヤ民族の末裔が遠く中東から九州の天草に流れ着き、モーゼの面や石を奉納していることにも。
加えて、仏足跡が奉納され、釈尊が幣立宮に参詣に訪れるなれば、別世界の話と思ってしまう。
日支事変や大東亜戦争も神の神慮であったという件に時の総理大臣東條英機までもが登場するので、にわかには信じ難い。
しかし、大東亜戦争中、千駄ヶ谷に今もある鳩森神社の神官であった岡本天明のもとには陸軍の将官が来訪して日本の行く末について伺いをたてている。そういうこともありなのか、と思った。
手塚治虫の『火の鳥』の舞台となったのは阿蘇外輪山あたりではと思えるが、手塚治虫は幣立神宮を知っていてあの長編マンガを描いたのだろうか。信じるもよし、疑うもよし、なにはともあれ、一度はこの本を読んで、幣立神宮に参宮してみなければと興味をそそられたのは確かである。