名手たちが繰り出す宝石のような輝き
★★★★☆
日本を代表するジャズピアノ奏者、小曽根真による1986年の作品です。長らく廃盤状態で輸入盤のみ入手可能でしたが、2007年にリマスターされ待望の再リリースです。
正直に言うと小曽根真というよりも、参加メンバーの豪華さに惹かれて購入しました。何せ凄い面子です。John Abercrombie(g)、Marc Johnson(b)、Peter Erskine(ds)というECMの重鎮に加えて、Steve Kujalaというフルート奏者が参加。全体としては繊細なリリスズムと豪快な奔放さの双方を持ち備えた渾身のプレイがこれでもか!と展開されます。個人的にはJohn Abercrombie 、Marc Johnson、Peter Erskineというそれぞれがソロアルバムをリリースしているツワモノが、バックを務めるという豪華絢爛さです。そうでなくても、このスーパートリオはECMで何枚も素晴らしい音源を残していることは、いまさら指摘するまでもないでしょう。小曽根真をリッチー・バイラークと置き換えて聴いてみるという愉しみもあります。
それぞれが、それぞれの持ち場でしっかりと主張しつつ、きっちりと主役を盛り上げるという「大人の仕事」をとこなしてくれるこのアルバム。まさにプロ中のプロですね。特にこの時期のAbercrombieは独特の浮遊感あふれるプレイが中心だったと記憶しますが、いつになく饒舌なフレーズを連発しています。ところで肝心のリマスター効果ですが、原盤の関係もあるとは思いますが、いまひとつ。で、★も4つ評価です(内容は★5つ)
1.Watch What I'm Gonna Do
2.Might As Well
3.Endless Season PART5
4.This Little Piggy Tells Time
5.You Are In Love
6.As Is
7.Passage
<1986年12月録音>