ディスコース研究ならこれ一冊
★★★★★
扱う範囲や現象が多様で、ともすればつかみどころのなくなりがちな「ことば」のひろがりとなってしまいがちなディスコース分析のための方策を明確に示してくれる一冊。
言語というものの構造と機能から始まり、テクストとコンテクスト、談話資料の収集と文字化から、レトリック・談話文法、発話行為論といったモデル理論、スキーマとスクリプト、変異分析、法言語学といった話題を網羅し、現在世界の応用、言語生活の改善の手掛かりまでとにかく幅広く網羅している。
ディスコースの定義から、基礎、方法、応用まで順序立てて論じ、充実した至れり尽くせりの入門・概説書といえる。
キーワードや課題、参考文献、必要な先行研究、事例にあふれており、論旨明晰な文章で手際よく学ぶことができる。