結局、個人のレベルでは基本的な人間関係が大切。
★★★☆☆
著者ふたりはマネジメント論の専門家。上のようなタイプに代表される「フリーライダー(=ただのり社員)」をインタビューをもとに4つに類型化。最新の研究成果を交えながら、この問題への対処法を解説した本。
10人で組織を運営し、利益を均等に分配するモデルを考える。1-2名のただ乗りが出るのは、それが本人にとって有益だから。しかし全員がそれをやるともらいはゼロ。この「社会的ジレンマ」のモデルは、フリーライダー発生の説明として明快。
組織としての解決策の章までは面白く読めたけど、個人としての行動の章では極めてベーシックな人間関係論にすっ飛んでしまっている。でも逆に言えば、この手のマインドは時代が変わっても有効であり続けるのだろう。
暗黒面に落ちる前に
★★★★★
働く人全てが一読しておいてほしい本。
組織の足を引っ張る人を分類し、対処法を書いている。
ただし、その方法は簡単ではないが、代わる手段もない。
自分はフリーライダーじゃないと思っている人も、周りに足を引っ張られて
暗黒面に落ちてしまわないとは限らない。
この本を読んで理解しておけば、そうなる前に踏みとどまれるかもしれない。
どこの会社でも必ずいますよ
★★★★★
フリーライダーとは本当にヒットする言葉ですね。皆さんの周りもいるはずですよ。
対する言葉として現地・現物・現実があるのでしょうね。
でも今の日本では上層部に上り詰めた多くの人が「フリーライダー」でしょう。
てなことで現場重視の私には痛いほど分かる内容です。
若い人にこそ読んで欲しいビジネス新書
★★★★★
「フリーライダー」とは「ただのり社員」のこと。
横文字にするとカッコいいけれど、昔のことわざで言うところの「人の褌(ふんどし)で相撲をとる」人のこと。
ちょうど私の職場にも全く仕事をしない人、何かにつけてできない理由で逃げる人がいてどうにかならないものかと思っていました。
この本では第1章「フリーライダーとは」から始まり、その分類、なぜ生まれるのか、組織としての問題解決、個人としてとるべき行動と非常に読みやすく構成されています。
「組織としての問題解決」については、ぜひ管理職や経営者の方に読んで欲しいです。フリーライダーを容認することは、組織の弱体化へと確実に繋がるからです。
個人的には「個人としてとるべき行動」が4つほど挙げられておりましたが、著者の「あなたの職業人生を変える行動のきっかけ」となるようがんばりたいと感じました。
若い人にこそ読んでほしいビジネスの良書(新書)です。
スマートさを捨てた…、そこに一種の誠実さのようなものを感じた。
★★★☆☆
本書で言う「フリーライダー」とは「大した仕事はしてないのに給料だけは貰っている人」みたいな社員のこと。著者らは多くの企業へのインタビューで明らかになった現実のフリーライダーを4つの類型に分類している。この問題に関する理論研究の概念的枠組みをザッと見た上で、4類型それぞれに対する「組織として採るべき対策」について議論し、自らもフリーライダーとならないために「個々人が採るべき行動指針」についても触れ、本書は終わる。
著者の2人も執筆陣に名を連ねていたベストセラー『不機嫌な職場』(高橋・河合・永田・渡部(著) 2008年 講談社)もそうだったが、彼らが論じているのは本質的には組織経営・運営について。それを誰もが経験する現場の問題として取り上げている。
前著に比べて、「組織として採るべき対策」と「個人としての行動指針」を別々に示したのは良かったと思う。前著では、両者の理論的な関連が曖昧だったし、そこで挙げられていた「組織的な対策」にも「個人的な対策」にも背後に貫かれているはずの原理・原則が見えてこず、議論に力強さを感じられなかった。本書で示されている対策には、理論的な裏づけもあるし、原理・原則が明確で説得力がある。
これもまた前著にも感じたことなのだが、非常に中途半端な本だと思う。ただ、それは著者らの真剣さの表れなのかなぁとも思う。何でそうなっちゃったのかと考えてみれば、おそらく著者らが現場で起きている問題を(学者さん的に)「面白がっている」というより、本当に心を痛めているからなのだろう。「このままじゃマズいんじゃないか?」という危機感に衝き動かされて、しかし深刻に警鐘を鳴らすというコンセプトではなく、一歩一歩問題を解決していきましょう、という本を書くと…、こういう本になるのかなぁ、とそういう印象。スマートさを捨てた…、そこに一種の誠実さのようなものを感じた。