アレンジ、演奏、歌唱とも素晴らしい。４曲目冒頭の盛り上げ方の巧みさなど、たまらない。

Alphonso Jonson,George Duke, Ronnie Foster, Chick Corea, David T. Walker, Ndugu Chancelor, Harvey Mason, Stanley Clarke等がサポート。

Dee Deeはジャズ・ボーカリストだが、このポップな作品ではアドリブらしいアドリブは無い。

楽器陣の音量がたっぷり目にミックスされていて、なめらかな歌声だけに酔うよりも絡みを楽しむのに向いている。

1978年の作品。

ジャケットだけ見ると、なんかアフリカの民族音楽系ですが、れっきとしたジャズ/フュージョンです。ディーディーはもとは知的で地味なジャズボーカリストだったのですが、このアルバムから豹変し、①なんか狂ったように叫びまくってます。でもこの1曲目は私的には後世に伝えたい名曲だと思います。黒人音楽のルーツ（ゴスペル）を明るいファンキーなリズムで垣間見せて、感じさせてくれます。ベースはスタンリークラークが弾いてますが、音質がとても良く、彼の特徴である硬めの澄んだピッキングが楽しめます。⑦はマイケルフランクスのカバーですが、アレンジにスタンリーの好みが反映されていてなかなかイイです。ちなみにこの次のハデハデジャケットのBad For Meは、もろ一般ウケ狙いの分かりやすいダンスミュージックばかりですが、これはこれで楽しいです。

勿論、Jazzヴォーカリストとしての評価は言わずもがなですが、このアルバムについて言えば、フュージョンというカテゴリに入れても遜色はないと思います。
レコーディングスタッフの名前も然ることながら、タイトル曲[1](S.クラーク作ですね)だけでも聴いてみてください。ゴスペルのようなイントロ（コーラス）から一転、なんともフュージョンチックなメロディーラインを歌い上げるD.D.ブリッジウォーターのボーカルが絶品です。
＃S.クラークのベースラインも楽しくてGood
また、[2]ではタップリとヴォーカルを聴かせてくれますが、ギターにはデヴィッド.T.ウォーカーがいます。この"決して歌を壊さない伴奏"の巧さ!いいですよね。
余力があれば、本作の前後作を聴いてみたいと思いました。