被写体としての苦悩を感じました。
★★★☆☆
「露出度が高い写真集を一度出してしまうと次の写真集も同じ方向性で…。」そんなルールや、そのルールに縛られたスタッフが、加護さんの魅力を潰していると思います。加護さんの魅力よりも話題性を先行させた利益追求型。被写体の魅力や可能性を見付けようとしていない彼らが手掛けた作品の出来が、良い訳がないのです。
「現在の被写体・加護亜依の魅力には、露出はいらない」と思います。 私はこの写真集の中で、露出度を意識しない服を着て楽しそうに笑う加護さんの姿に魅力を感じました。
デビューしてから作られてきた「虚像」。解雇後の活動からはそれを捨てようと躍起になっていて、でもそれが良い方向に行っているようには見えず、痛々しかったです。今の「加護亜依」に、モー娘。時代の名残を求めるファンの方もかなり居ると思いますし、私もまた、その1人である事は否定出来ません。それが「虚像」を求めるからなのか、加護さんの今を見て思う事なのか…正直分からず、切り離せないのです。 ファンである私でもそうなのだから、被写体として「自分の魅力」を表現する立場にある加護さんは、物凄く大変だと思います。
最近の音楽活動では新しい事にチャレンジしていて、それがとても楽しそうなので、見ているこちらも嬉しくなります。音楽は声質が関係するので、ジャンルの幅は限定されるものの、その「限定」が「個性」となり得ます。しかし写真集の為の完全な「被写体」となった時、「虚像」との「対立」や「逃げ」がまだまだ根強く付き纏い、ビジュアル面での表現では葛藤や苦悩があるのを感じます。
「加護ちゃん」をなかったことと拒絶し、無理矢理「本当の加護亜依」を作ろうとしている様で…。
音楽・女優活動で今よりもう少し大物になれれば、質の良いスタッフにも恵まれると思うので、そんな意味でも加護さんの活動を応援したいです。
次の写真集に期待しています。