説教くさくなりがちなテーマではあるものの、柴犬を主人公に“絵本”という形式で見せてくれるので、気楽に読むことができるに違いない。何より、その柔らかなイラストに穏やかな「和」の気持ちになる1冊である。「おもてなし」はもてなす側のこころも晴れ晴れとなっていくものだということを、しばわんこは身を持って教えてくれるのだ。
心穏やかに、四季の移ろいを感じながら生活をしてきた日本という国での暮らし方を、改めて見直してみたくなる、大人のための絵本である。(小山由絵)