本のタイトル通りの内容でした。
★★★★☆
起業を決意し、会社をやめました。
そんなときに読んだ本です。
自分が陥っている罠について指摘をしてくれていました。
(完璧な事業計画書の作る前に、まず行動すること)
もう少し、早めに読んでおきたかった本でした。
起業・新規事業を検討されている方には良書だと思います。
起業する人や起業した人だけでなく、企業で働くすべての人に
★★★★★
起業するときに最低限知っておくべき知識とコツを書いた本です。起業の判断、事業計画、資金調達、自己資本経営、人材採用、マーケティング、業務提携、正直であること、などです。
今起業を考えている人、既に起業して走り出した人、企業の中で新規事業を計画している人は言うに及ばず、企業で働くすべての人に役立つ知識に溢れています。
一部を紹介すると、たとえば、ベンチャーキャピタルから資金を得るためのプレゼンテーションの方法は、営業など一般の場合にも大いに参考になります。著者曰く10/20/30 の決まりです。スライドの枚数を10枚までにして要点を絞る。でないと発表の印象が散漫になる。一時間の打合せでも20分を前提にする。質問の時間を見ておく。フォントサイズは30ポイントにして文字数を減らす。遠くからもよく見え、聞き手が文章を読んでしまい話に集中しないのを防ぐ。
また、人材の採用について、著者は A-Player を雇えと言います。一番仕事が出来る A-Player は(たぶん仕事優先で)同じ A-Player を採用する。しかし、少し劣る B-Player は(たぶん保身優先で)更に少し劣る C-Player を採用する。そうすると、少しずつ劣る人を採用する連鎖が始まり、最後は Z-Player になってしまいます。
以上はこの本のほんの一部です。もっと沢山の参考になる考え方、詳しい説明があります。本を読むときに付箋を挟むのですが、100枚綴りの付箋紙を使い切ってしまいました。こんなに挟んだのは初めてです。
著者がアップルの創成期に関わったこと、ベンチャーキャピタルの経営に携わっていること、その経験が生きています。本で学んだり他人から聞いたりした話ではなく、実体験から学んだ知識ですので、いわゆる経営コンサルタントや学者の本とは一線を画すものです。特に失敗の体験は重要です。
分りやすくユーモアのある文体です。特にところどころにある exercises には必ず吹き出すでしょう。たとえば、一時期ドットコムがバブルの頃に流行したらしい高価で cool な椅子について、 "Go to eBay and search for used Aeron chairs" という課題を課しています。
購入前、 Reality Check と迷いましたが、あちらはページ数が500ページ近い大冊だったので、最初の一冊の様子見にその半分以下のこちらにしました。こちらも十分良い本です。
なお、著者がこの本の内容に基づいて講演した動画がネットに幾つかあります。本で読む以上に迫力が伝わってきます。Yで始まる有名なサイトです。
以上、原著 The Art of the Start のレビューに書いた内容をこちらに転記しました。
〔追記〕
翻訳書と一部を比べてみました。ビジネス書の翻訳としては上等の部類だと思います。ただし、上に引用したA-Playerのところは「A-プレーヤーはB-プレーヤーを雇う」になっていました。早とちりしたのかもしれません。
書名はちょっと硬いので「ガイ・カワサキの起業のすべて」が良かったかなと思います。各章の題も「奥義」じゃなくて「技術」にすれば印象が柔らかく感じます。そのあたりは趣味の問題かもしれませんが、良い本だけにもっと売れてほしいと思います。
単なる会社の作り方でなく、成功のための実践書
★★★★☆
起業成功マニュアル…こういった響きの本で想定するのは、
株式会社の創り方とか、怪しいビジネス構築法の本などと思うが、
本書は、アップルの創業にかかわった、ガイ・カワサキ氏の著書である。
内容は、11の奥義が書かれており、
スタートで考えるべきこと、マーケティング、人材採用、ブランディング、資金調達など、
これの具体的実践法が記されている。
単なる概念ではない、実践に即している内容なだけに、
行動したくなる。
小企業を作り大企業にしていくステップのようにも見えるが、
本書にある、リードジェネレーションや口コミマーケティングは
どんな企業でも適用可能だと思う。
これから起業していく方は必読です。
人をおちょくるような表現で、鋭い視点が一刀両断
★★★★☆
職業は「ガイ・カワサキ」と言えるくらいの個性に満ちた本。センスと経験を持ったベテランが教えてくれる本書を読めば、それだけですべてオッケーと言うわけじゃないですが、面白いです。そうだそうだ、がんばろう、現在の自分を見直そうと、とうなずきながら読めますね。何故だろう、こういう本をアメリカ人のほうがうまいし、納得できる。日本人の成功談やコンサルタントのお話は、たまたま成功した旬の人の繰り返しや、運が良かっただけで長続きしない、後知恵で取り繕っている本が多いように思います。
起業の夢に向け、ワクワクさせてくれる1冊
★★★★★
起業を目指す際に読むべき本は沢山あると思いますが、「事業計画書の書き方」とか「青色申告の仕方」とか実務的な本は別途読むとして、
この本はビジネスを立ち上げるにあたって起業の真髄は学習ではなく「実行」である。というコンセプトに基づいて四の五の言わずに何をいいか教えてくれ」と考えるあなたに対し、みずからの知識や愛情、決意をもとに、理屈やいらぬ細部にこだわることなく大きな仕事をなし遂げられるようお手伝いする。本です。
こういう本は、テクニックを教えてくれるのも意義の1つですが、読む人を起業に向けワクワクさせることも大きな意義なのではないでしょうか?その点においてこの本はとても秀逸だと思います。
構成として最初にビジネスを実行に移す為の奥義から始まっていて、読んでてテンションが上がります。その次にボジショニングの奥義を置いていますが、それ自体がポジショニング(差別化)が如何に重要かというメッセージなのでしょう。
文中「○○のトップ10リスト」というのがありますが、これがとても面白い!一人でクスクス笑ってしまいました。
難点としては、訳者にビジネス経験が少ないのか、訳が少々まずいこと、と
資金調達や人脈形成についてはUS事例であり、日本では若干勝手が違うことです。