平沢ソロに優劣を付けるなど
無粋極まりないのだが
あえて一番をあげるならこれだろう
賢者平沢の世界に飛び込みましょう

平沢進の作る曲は、
「綺麗な景色をみて素晴らしいと思う」
「自然の力強さに感動する」
というような、人が本来持っている
「何かに感動する器官」
を直に刺激してくる曲が多いです。

その中でも、このアルバムにはそれがぎっしりと詰まっています。

特にルベド（赤化）やロタティオン(LOTUS-2)などは
何故かわからないですが、意図せず涙が出ます。

何なんでしょうこれは。音楽を聴いてこんなに感動したのは久しぶりです。

平沢進に少しでも興味を持たれた方は、是非このアルバムを聴いてください。
こんなにも素晴らしい音楽が、まだここにあります。

インタラクティブライブをDVDなどで見て楽しいと思う人は、
これを最高傑作と思うハズ。(私はインタラは苦手)
あと、スピリチュアルな感じからヒラサワにハマった人も、
これが一番出来がいいなあとか思うハズ。

でも、批判的レビューないですし、
あえて誰も書いてないから書いておきます。



これは、インタラクティブライブのサントラです。
インタラ前提。
コレ買うなら、インタラのDVDも一緒に買いましょう。



このレビューに対して、参考になった票は入りにくいと思います。
しかし、私は、このアルバムは、
本当にファン(信者)になった人にしか、オススメはできないです。

一応、サウンドそのものは、初期の凝った感覚のアレさはないですし、
さらに『救済の技法』よりも万人向けだと思いますし、音質も綺麗です。
一般受けするメロディーラインの曲もそれなりに揃ってます。
そして、(一般には受けないけど)コンセプトアルバムや、
「設定」を知ってないと楽しめない音楽というのも、私は好きです。
そもそも、ヒラサワ以外に私が好きなアーティストも、大体そんな感じですから。

ただ、ストーリーを持ったライブがある前提で、
アルバムの中で、ストーリーが語られていないのは、どうなんでしょうか。
そんなアルバムは、サントラといいませんか？

私はヒラサワソロもP-MODELも、基本的には好きなんですが、
この作品については、インタラ頼りがロコツすぎて、ダメです。
この作品だけは、アルバム通しては、ほとんど聞きません。
さらに、コレを聞いて、P-MODELの活動再開はないなーと思ったので、
そのことからも、正直、ダメだったりします。
そう、初期のアルバムが好きな人は、コレで離れた人も多かったように思います…。

錬金術とかのコンセプトが好きなら、
あるいはアニメやゲームなどの世界観カッチリ系がすきなら、
インタラのDVDを合わせれば、きっと気に入ると思います。
ただ、音楽としての「ヒラサワソロ入門」には、
『白虎野』(好き嫌い分かれる)か、『点呼する惑星』(万人向)でしょう…。

私が平沢さんの作品にハマったのは映画「千年女優」ですが、アレンジして劇中に使われてた音楽の
原曲がこの「賢者のプロペラ」に納められてます。映画の中で流れる音楽が気に入った方は、ぜひとも
聴いてみてください。
全体に統一性があり、曲と曲のつながりも流れるように過ぎていきます。壮大な「ロタティオン」
（「千年〜」のED曲）で終わるのではなく、最後に優しい「賢者のプロペラ２」があるのも良い。
現実へと、穏やかに帰ってこられます。まだ帰りたくないと思いつつも。
電子音・アジアンな雰囲気・難解な歌詞、という混沌が、秩序になっている作品。まさに錬金術。
平沢さんの作品は一曲一曲が唯一無二だと、圧倒されました。

1曲目を聞き始めると最後まで通さないと自分を許せなくなるアルバム
でも最後まで聞くと1曲目まで戻りたくなる
最初から最後まで壮大な音楽のような物語りのような音の集団を聞いているともうこの世には悔いがないのではと思えてくる
外で聞くのは危険です。特に夕方のような心に響きやすい時間帯は身を投げたくなります。

この幸福感に出会えた幸福にさらに幸せを感じながらヘビーローテーション