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前頭葉は脳の社長さん?―意思決定とホムンクルス問題 (ブルーバックス)

価格: ¥987
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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意思決定 ★★★★☆
意思は、意識的に自分で決めている
ことのようだけれど、脳の中で
情報を統合して、意思決定の前に
脳の中で決断されているというのは
非常に面白かった。
ひらめきについても、瞬間的な意思ではなく
天秤が徐々に傾いていった結果だと
いう点も斬新に感じました。
その時脳では何が起きているのか ★★★★☆
ある意思に基づいた行動を起こしたとき、脳では何が起こっているのかのだろうか。
意思に基づいた行動とは、たとえばじゃんけんやお昼ご飯の決定などである。
このとき、前頭葉が活発に活動するという事実から、本書では前頭葉、特に前頭前野と意思の関係を探っていく。

実験とその考察を丁寧に積み重ねて進む意外と硬派な本。
しかし、脳内で何が起こるかがわかったとしても、「なぜそんなことが起こるのか」はわからない。
ではいったい意思とは何だろうか?本書に結論は書いていない。
人間の行動を「前頭葉の活発化という事実」から「考察」するしか、今の脳科学にはできないのだ。
これは人によってはあまり意味がないことのように思うかもしれないし、それももっともなことだと思う。

まぁ、自分をドライに見つめなおすにはいい。
「意思」というものを考える一助になることも確かと思うので、これからの脳科学に期待という意味も込めて☆4つ。

どうでもいいが、学生の私には会社の役職でたとえられると逆にわかり辛かった。
あと、たとえ話で例をあげるときの固有名詞やセリフなど、本文の端々から著者の静かな自己主張というか、性癖がうかがい知れ、それがちょっと面白い。
とりあえず、研究者はたいへんそうだ。
考えるな、感じるんだ! ★★★☆☆
『燃えよドラゴン』の冒頭シーンでの、ブルース・リーの有名な台詞:
  Don’t think. Feel! (考えるな、感じるんだ!)

を想い出させてくれたのが、第5章の「アイオワ・ギャンブリング課題」。
意識するより先に、脳は感じて皮膚などに信号を送っているらしいのだ。
意識、脳が感じていることの他に、脳以外が感じていること(?)があるかも
しれないなーと思わせる実験結果である。

結局の所、前頭葉はこれこれをしているとはまだ明確には言えないようだ。
しかし、前頭前野は感覚情報や報酬情報やその他の情報を統合したり、脳内の各所で
並列処理されている、他の領域からのショートカットがある、という話は参考になった。
ざーっと読んで、興味のある所だけしっかり読むのがうまい読み方ではないか。
比喩はイマイチだが、内容は優れもの ★★★★★
本書の各章で出てくる脳の領域「野」を、企業経営における各担当分野をもつ役員に例えるというのは、ご愛敬。
しかし、本書の開陳する脳の機能、働き方についての仮説は、非常に分かりやすく説明されているのです。

また、検証すべき命題として、どこまで発展させられるかどうかは判断が難しいが、次のような本書の説明には、強いイメージ喚起力があり、何か分かった気にさせてくれるのです。

「脳の意思決定は、脳の広範囲の領域で起こっている減少です。どこかひとつの領域が意思を決定しているわけではなく、複数の領域、そして当然のことながら多数の神経細胞が協調した結果として、脳の意思が生まれてくるのです。」

「ある瞬間にパッと指令を出すことで意思が決定されるわkではありません。前頭前野とその他すべての脳領域との間の緊密な連携の下、同時進行的に情報処理されているその動的な過程すべてが、意思決定のプロセスなのです。」

これらの記述は、これだけを取り出して評価すると、当然と思われるかもしれないが、この記述を支える、脳機能障害の症例や神経細胞のつながりの具体的な研究成果の後であると、大きくうなずけるのです。

そして、評者が本書の記述の中で最も関心したのは、次の記述です。

「そして『意思』とは、複数の情報入力にもとづいて脳が生み出す『ただひとつの解』であるといけます。そして、この『解』は、その瞬間における『解』であって、時々刻々と変化しうるものです。」

うまく表現できないのだが、神経細胞ネットワークの電気的・科学的状態の変化が、意識の実態であり、その変化の中の一定のものが「意思決定」と認識される状態変化を作り出すのだということなんだと思うのだが、この発想には、何か蒙を啓かれたという気がします。
面白いトピックスもあるが解剖的記述に辟易するかも ★★★☆☆
 この本は著者が指摘するように脳ブームにあやかって本を売ろうという魂胆の
本ではありません。
本の主旨としては前頭葉という脳の一部分を分割して解説を加えていく
という手法なので、最初から順番に読む方法を本書は求めています。

この本の弱点はやはり脳の解剖をよく把握しないと理解し辛いこと。
この点を辛抱して読み進める努力は要ります。

前頭葉の各部位をいろんな部長に比喩して読者に解かり易い
よう著者は苦心しています。

私のこの本の読み所、醍醐味を感じたのは第五章です。
この章には「報酬価」や「復讐」「後悔」など感情が
前頭葉に大きく関与しています。
これらをサルや人間に対する実験を通して解かった
考察を陳述していて、特に興味深かった。