カンボジアン・ロックのディープな世界
★★★★★
デング・フィーヴァー選曲による60年代後半〜70年代始めのカンボジアン・ロックのコンピレーション盤。辺境ガレージ好きの琴線を刺激するちょっぴり哀愁漂うオリエンタルなムード満載の楽曲に、チープなオルガンとファズ・ギターによるプリミティヴなGS系サウンドがたまりません。多くのミュージシャンや歌手が75年に誕生したポル・ポト政権により弾圧され理不尽に命を奪われた悲劇的な歴史のことを思うと、本作に収録されているロ・セレイソティア、シン・シサモット、ペーン・ロンといった当時のカンボジアを代表するスターたちのクメール語による明るく、いきいきとした歌声が痛烈に心に響いてきます。