恩師の復讐を遂げ、ひとり立ちした殺し屋ジロー（木村一八）は新たにエージェント（根岸季衣）を見つけて契約を交わし、再び殺戮の生活に身を投じていく。しかしそんな彼に、かつて自分が殺した殺し屋シロハタ（矢島健一）の亡霊が死神のようにつきまといはじめ……。
   ハードボイルド・アクション・シリーズの第3弾。第1作の原田眞人監督が再び登板し、高いクォリティを保ちつつ、非情な殺しの世界がストイックに繰り広げられていく。徹底的に乾きつつも叙情性を伴わせるタッチ、リアルで洗練された台詞まわし、意表をつきつつ的を射たキャスティングの妙など、後の原田映画に連なる諸要素が満載。ダーク・ファンタジーとしての面もうまく導入されており、矢島健一の静かな演技と存在感は、続く第4作『血の収穫篇』も含めて圧倒的に観る者に迫ってくるものがある。1、2作とはアレンジを変えての川崎真弘が奏でる新たなテーマ曲も秀逸。（増當竜也）