打てる、守れる、走れるそして書けるメジャーリーガーの田口壮選手。

日本のファンからのイメージでは、控えに甘んじている苦労人だが、実際はそうではありません。
メジャーリーグを誰よりも楽しみ、充実させているのが彼です。現在、メジャーリーグには他にも数多くの日本人選手がいますが、田口選手以上に充実した毎日を送っている選手はおそらくいないでしょう。

彼のblogを基に出版された今回の本を読めば、彼の満喫ぶりがはっきりとわかります。
そしてこの本は、とにかく面白い。

さすがは関西人の田口選手。

毎回見事にオチる日記の内容には、野茂も大魔神佐々木も真っ青です。

アメリカ人や文化などに対する関西弁のツッコミが軽快で、blogの世界でもかなり評価が高いそうです。
もちろんただ単に面白いだけではなく、メジャーリーグでの苦しい経験、苦い思い出、嬉しかったこと、たくさんの裏話なども事細かく書かれており、読みごたえは抜群。

野球ファン必読の一冊だと思います。

でも読んでみて思うことが二つ。

田口さん、あんた普段もこのキャラだったら絶対にもっと活躍してるよ！
まぁそこが彼の持ち味だとも思いますけどね。

そしてもう一つ、田口選手も苦労人だけど、田口選手よりも奥さんのほうがきっと遥かに大変。
子育て、異国の地での日々の生活、選手の婦人会など、選手の奥さんは目立たないところでかなり苦労しているはずです。
旦那は好きなことや自分の夢に没頭してればいいですが、奥さんはそーゆーわけではない。

正に縁の下の力持ち。
そんな家族の支えなども全部つまった一冊です。

『タグバナ。』は本当に楽しく、ゲラゲラと大笑い出来る本です。
たとえ野球のルールが良く分からなくても、腹を抱えて笑えます!!!

でも『タグバナ。』は単なる「笑える本」と言うわけではありません。
監督・チームメイト・家族・アメリカでの生活等々、たくさんのエピソードを通じて、
野球人としてだけではない、
１人の「人」としての田口壮の人間味や魅力に触れることが出来る本だと思います。

「田口ファン」「野球ファン」だけが読むのはもったいない!!!!
笑いたい人、元気が欲しい人、チャレンジしている人、チャレンジしたい人、
いろんな人に読んでもらいたいです!!!!!

この本を読んで、まず初めにあのメジャーリーガーも私らサラリーマンと何ら違わないと言う事が判明しました。
この本を読んで日頃、上司からの無理なノルマ、ダメ部下の不甲斐なさをいつも尻拭いしている私を初め中間管理職の皆様、本当のに思いっきりうなずきますよ！！（田口選手は上司には恵まれましたが）
中間管理職の皆様、心の中で、又出先の公園での休憩時につい「この部署は俺で持っているんだ！！」と呟いた時はありませんか？呟いた貴方はもうこの本を読まずにはいられないでしょう！！

抱腹絶倒です。

田口選手の公式ホームページの日記は、毎日帰宅後見てますが、
「ホッと」します。

その日記をテーマ別に並べ替えただけの編集のようですが、
以前、見たことがあっても十分笑えます。

しかし、笑いの中にも、
普段、決まったことを、決まったように。いつも同じ生活を
繰り返している。と思うのは、自分が「発見する」とか「考える」といった
努力を怠っているからではないかと、考えさせる一冊でもあります。

また、せっかく「発見」があっても、自己の価値観が固まっていないと、
それについて、考えたり、評価することはできません。

自己の価値観、生活信条が、ゆるぎないモノなんだろうか？
とも、読み方によっては、考えさせられてしまうのではないでしょうか。

何か新しい発見をしようとすれば、私たちの周りにも色んな事が起こってます。
毎日、その中のどれか一つでもいい、自分の価値観、生活信条に照らし合わせて、
考えていこう、という気にさせる本ですね