前半では、基本となるXMLの記述に関するルール、実践的なノウハウ、またXMLをHTMLに変換する際の書式やレイアウトの情報を指定する「スタイルシート」を作るために不可欠なXSLTの基本を丁寧に解説している。次に、HTML文書の自動生成を、実際の運用事例を取り上げて論じている。実行例の図やサンプルコードを豊富に用意して、理解しやすいような工夫を凝らしている。
後半では、XSLTが備えている機能を使って、自動化を実践するためのノウハウや、自動生成システムを有効に活用するヒント、本書で利用したHTML文書自動生成システムのサンプルの利用例について説明している。巻末にはXML、XSLT、WSHの参考資料とXSLTの簡単なリファレンスが掲載されており、それぞれの情報収集や、HTML自動生成作業の手助けとなっている。
テキストエディタを使ってHTML文書を作成することは、勉強になると同時に細かいところまで制御できるメリットがある。しかしその反面、面倒なことも発生する。そのような面倒を避け、HTML文書を効率よく作成したい人におすすめしたい1冊である。(大塚佳樹)