基本的に宮本浩次のモチベーションは、オリジナル14作目となるこのアルバムでもデビュー時と何ら変わらない。冒頭から、敬愛する森鴎外の権利や名誉への執着が霧散して以降の老境にシンパシーを抱いたり(「歴史」)、「化ケモノ青年」では近代における日本男児は生き方を見失ったと断罪しつつ同情をみせたりと、全編通じてそれははっきりしている。
ただ、30代も後半になり、以前は漠然としていた現実――未来とはつまり死である――に怯えず向き合い、しかもさすがミヤジ、トゥ・マッチに血相変えて歌う。そんなこんなで泣き笑いの芸術に昇華されるという訳で。案外R&Rのスタイルに縛られがちなこのバンドが、宮本の閃きに力むことなくオルタナティヴな演奏で応えているのも聴きだ。(石角友香)
ジャッケット
★★★★★
ジャッケットがドアーズのアルバムに似てるなぁって思って。扉だし。
だから、ドアーズってやっぱカッコいいよ
実験は終わった
★★★★★
ずっとモヤモヤしていた。エレカシは終わったのかと思っていた。
ガストロンジャーでぶっ飛んだかと思えば、ライフでは小林某をプロデューサーに迎え。
デッド〜も、俺の道も、原点回帰という名の後退だと思った。
そしてこの「扉」。
一曲目「歴史」を聴いて、エレカシが戻って来たことを確信した。
全体的に静かなトーンではあるが、その静けさの中には、緊張感ややるせなさが、夜の深さのようにうごめいており、それは何か来るべき朝のための準備をしてるように思われるのだ。
「歌モノ」「ロック」と、別のベクトルで振り幅広くやってきたエレカシが、それをごちゃ混ぜにして、エレカシだけの音楽を作りあげた、と私には思える。
見事な傑作である。
素晴らしいのに何と廃盤?!
★★★★★
レンタルで借りたんだけど、5曲目と最後の「パワー・イン・ザ・ワールド」が気に入って買うことにした。渋谷のHIVに行って聞いたら、何と廃盤と言われたー!こんな名盤がなぜー?!
気迫が凄まじい
★★★★★
宮本のドアップのカバーどおりの迫力がある作品です。「歴史」で幕を開け、「パワー・イン・ザ・ワールド」で幕を閉じる宮本の思考・感情を吐露したような宮本ワールド全開の作品です。宮本ファン向けの作品といえますが曲と歌声は万人に響くはず。
負けてなんかないぜ。
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このアルバムはすばらしい。宮本自身の血肉がこのアルバムにはいつもに増して通ってる。
とんがったアルバムを出し続け、
これまでと決別するように、
吹っ切れたかのように、
傑作『東京の空』を残しエレカシファンが蛇蝎のように忌み嫌うポニーキャニオン時代に突入していく。
自分はその頃のアルバムも好きだ。
『風に吹かれて』は名曲だと思う。
その後セールス的に伸び悩み小林武史を投入し『ライフ』(名作)を発表するも...
その後タイトルズバリの『俺の道』で俺にはこれしかないと開き直ってエレカシは帰ってくる。
このアルバムは『俺の道』につづくアルバム。
『歴史』の中で宮本は『栄達を望めなくなった鴎外、彼は負けたのだろうか?』と歌う。
『星くずの中のジパング』でもう声が出なくなってファルセットに頼ってしまっても負けてなんかない(DVD扉の向こうで苦闘する宮本が観れます)。
あなたの作ったこのアルバムは傑作です。