弁護士廃業は重ね重ね残念
★★★★★
中坊さんの突然の表舞台からの「降板」を残念に思っていた私にとってはまさに待ってました!の本でした。
パラパラっとめくってみると、これまであまり見たことのない、商人や資本主義を語る中坊さんの姿。「人よし店よし世間よし」の近江商人の話から始まるのです。
しかし読み進んでいくと、やはりいつもの中坊さんがそこに。(笑)
火事の見舞金をみんなでどうやって分けるのか?と質問する中坊さんに「平等に分けます」と、当然のように答えた松和会(火災の被災テナント集団)の人々の姿に感動するエピソードや、松和会がビルのオーナー会社に対して起こした裁判を、「これはひとり松和会の問題ではない、もっと公益性、社会性のある問題だと思っていました」という言葉。そしてこの本の中で一番のキーワードになっている、「弱いもんが強いもんと戦う」ことに対するこだわり。
やっぱり世の中にこういう弁護士が一人はいなくちゃいけない。
中坊さんの弁護士廃業をあらためて残念に思わせる一冊でした。