スイスで仕事をしているのですが、読み進みながら、まるで日本の荒巻基文さんから特別講義というか、個人研修を受けているような感覚になりました。表情例の写真が著者自身だったり、気負わず、読者と同じ高さの目線で、等身大の自分変革法、プレゼンテーション技術を教えてくれる姿勢がとても感じ良く、うなずきながら受け入れることができました。
本の構成も、読者の立場に立った形になっていて、特に図がわかりやすく効果的にまとめられており、1回読んでさらに深く理解して頭に入る仕組みになっていました。

特に自分に役立てたいと思ったページは、（とても多かったのですが）コピーして情報ファイルに入れ、今後も活用できるようにしました。

プレゼンに自信のない方や、さらにプレゼン能力を高めたい方を始め、対人関係で悩んでいる方にもお薦めします。ポイントが分かりやすく整理されているので、それを実践するだけで、明日にでも効果が現われます。

著者は、単なる知識だけでなく、一流企業の社員研修や講演・セミナ-など、実際の現場で豊富な経験を蓄積しているので、すぐに役立つアドバイスができるのだと思います。

説明下手、話が曖昧、論理性が無い、感情的になりやすい・・・。日本人という民族はそれでも何とか成り立っていける土壌の中に住んできた。　が、今日それが通じなくなっている。　同僚同士の会話でも、物事をロジカルに見えやすく説明し、衝突に理性的に対処する術が求められてきた。　それだけ、人々の頭の中にあるものが多様になってきた。

やさしくて具体的、すぐ読めて中身がストンと体に落ちる本である。　プレゼンテーション、ロジカル思考、衝突対処法と、内容としては基本スキルを広く網羅するが、読んでいるとどれもが出来そうに思えてきて、覚えたてのスキルをすぐにも使ってみたくなってくる。
　
徹底的に読者のスキル向上に焦点を当てているけれど、読み終わって改めて考えさせられるのは、“人に理解してもらうことの意味”である。例え論理で打ち負かしても本当に分かってもらった事にはならない。そのあたり仏教の教えを巧みに引きながら、自然と本質に迫っていくところに、ストンと体に落してしまうこの本の秘密があるらしい。