本書では「フレンチ＆ハニートースト」と「定番トースト」の章以外、実用的なレシピはほとんどありません。
特に疑問なのは「お絵かきトースト」の章。絵心を重視するあまり、明らかに味のバランスがおかしいものがあります。例えば、マヨネーズ＋食紅＋ウエハース＋大根おろし＋ポッキー＋いちご＋ミント＋源氏パイ（かき氷トースト）やホワイトソース＋黒ごま＋豆板醤＋のりの佃煮（ハロウィンのトースト）などなど…。
「トースト」という毎日食卓にのぼるようなものをテーマにしているのですから、きちんと「無駄なく」、そして「おいしく」食べられるレシピをもっと数多く紹介して欲しかったです。もし本書の購入を検討されている場合には、書店や図書館で内容をチェックしてからでも遅くはないと思います。
個人的には、たかはしみきさんの『まいにちトースト』の方が、本書と比較して収録レシピ数は少ないものの、実際においしかったり参考になったりするものがずっと多いと思います。使えるレシピがかなり多いという実用性と、価格的にもほぼ同じという点から、『まいにちトースト』の方をおすすめします。