コレクション用に
★★☆☆☆
同じ本を持っているので絵や内容が良いのは分かっていますがボロボロだったので読む為ではなく、保存用(コレクション用)に新品を購入しました。
田舎の本屋さんには無かったので。
ですが、新品なのに保存状態が悪いのか、小口はうっすらと焼けており、帯やカバーは細かい擦り傷だらけでした。
これなら中古の状態の良い物とあまり変わりません。
コレクションには不向きでした。
げに恐ろしき復讐劇
★★★★★
参考:平田弘史劇画創世期傑作選(「復讐つんではくずし」収録)
http://www.laputa.ne.jp/hirata/hirata.html
結論から書くと、オリジナルの「復讐つんではくずし」の圧勝。
リメイクされた「大地獄城」は画風も全盛期の平田先生のそれでなじみがあるので読みやすい。若干の設定の違い(太平の歯を切り落とすのが大殿だったり囚人たちの苦役の形式が違ったりなど)はあるものの、ほぼオリジナルを踏襲したストーリー展開。だが「復讐つんではくずし」を初めて読んだときの「何か非常にいけないものを見てしまったが見てしまった以上下には戻れない異常感覚」に襲われることもなく安心して読めた。(まあ内容はほぼ同じなのだが)
とはいえリメイクの本作でも大殿の重盛(オリジナルでは利高)に対する仕打ちの描写は目を覆うばかりで、歯を全部切り落とされ目と耳を削がれ片目を空洞にされた大殿の描写は平田先生以外には描けない圧倒的な迫力を産んでいる(くどいがオリジナルのほうが描写はきついよ)。
それにしてもオリジナル掲載時著者23歳、リメイク時31歳。天才の業とはまさにこれか。挿絵調の画風が異様な迫力を生んでいるオリジナル「復讐つんではくずし」は一生に一度は読め。
ファンなので、読むことができただけで☆×5
★★★★★
1961年に発表された「復讐 つんではくずし」のリメイク作として69年に発表された「大地獄城」、75年発表の「血だるま力士」、76年発表の「頭突き無双」の3作が収録された作品集。
著者の初期の代表作のひとつと呼ばれるとともに、その残酷な描写が問題となったということは知っていたが未見だったので、読むことできて本当に嬉しい。以前は全くといっていい程見かけることなかった著者の作品が復刊される近年の状況は本当にありがたい。
「大地獄城」は本当に凄い作品だ。少年誌に連載されていたのが信じられない。今の少年誌では絶対に許されないだろうと思える程リアルな描写、救いようのない残酷な(悲しい)ストーリー。編集部による作品解説(これが非常に丁寧でいい)によるとオリジナルの「つんではくずし」の描写はもっと凄いそうだ。
「つんではくずし」は印象に残る素晴らしいタイトルだ。何故69年のリメイク時には「大地獄城」になってしまったのだろうか。少年誌らしくわかりやすいものにするという編集部の意向が働いたのであろうか。解説では触れていないが個人的には非常に気になる。
平田弘史は「絵」だけで勝負することのできる日本が誇る漫画家である。それなのに一般的な知名度は低い。ファンとしては非常に残念だ。