スラスラ読める研究成果
★★★★☆
流れるようにスラスラと読み進めることができる、読み物的側面と論文的側面を持ち合わせた良書。
政治体制、(国民)国家、権力政治、帝国主義が主なテーマで、テーマごとにメジャーな理論を紹介し、一定の時代あるいは地域の事例を述べる。
文献リストの作り方も丁寧で参考になる。
ただ、「国際」政治史と題するからには、もっと非欧米の事例を紹介すべきであろう。
(イランの事例を割と詳しく取り上げているのはよいが)
加えて、「国際政治」という学問自体が広範で多様な事例を対象とするためか、本書の内容は決して国際政治学の理論を体系的に網羅しているとはいえない。