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国際政治とは何か―地球社会における人間と秩序 (中公新書)

価格: ¥903
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論新社
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名著 ★★★★★
国際政治を「主権国家体制」「国際共同体」「世界市民主義」の三つの位相から説明しており、昨今のEU統合、世界的なNGO網の広がりに見られる世界市民主義の隆盛について深い示唆を与えてくれる。
決してお手軽に読める本ではないがかといって難解な内容ではなく、国際政治の底流に流れる考え方を理解できるのでぜひ一読を薦めたい。
大局的に世界を見る視点。 ★★★★★
本書では、帝国主義時代の欧米諸国が、高い理想を掲げながら自国の利益を貪欲に追求
する「偽善」的態度がどのような論理で展開されることになるのかという視点から、近
代ヨーロッパを起源とする国家の概念から国際政治へと繋がる、世界的な社会変動の様
子を解き明かしていきます。

その際に、国際政治の三つの位相として「主権国家体制」「国際共同体」「世界市民主
義」を挙げ、その各々から導かれる規範が互いに縛りあうトリレンマ状況が、かの「偽
善」を生み出すことを説明し、さらに、それぞれの基盤となる安全保障、政治経済、価
値意識といった観点からその詳細を見ていきます。

このような中で著者は、永久平和のためには、意味や価値の相互作用に満ちた「豊穣な
世界市民主義」と、世界市民主義を希求しつつ「仮想の地球社会」が醸成する地球意識
に基づいた「慎重な普遍主義」の融合が必要であり、たとえ実現不可能であっても、永遠
の平和の可能性を信じることが、実際の平和へと繋がる唯一の道であることを主張します。

そして、自らを保守的だと評する著者は、「仮想の地球社会」が生み出す地球規模での
世界政治ではなく、多数の主権国家同士のせめぎ合いからなる国際政治が、現実的に妥
当であるとし、その国際政治の実際的な運営に必要なのは、非現実的な「友愛」よりも、
冴えない「寛容」であることを、伝統性を重視する立場から提唱します。

本書は国際政治というあまりに大きなテーマを主題としており、政治に不案内な私には
その内容の把握はとても十分とはいきませんが、それでも、現代における軍事力の意味、
経済格差と環境問題、さらには民主主義と人権問題といった多岐に渡る課題を考えるヒ
ントがちりばめられており、自分の狭い考え方を大きく広げてもらったような気がします。

中でも平和と健康の類似性といった議論は興味深く、テロとの戦い意味など、改めて考
えさせられましたし、また、グローバル化する世界の中での国家の役割などといった、
普段は考えないような事柄も、身近な生活と決して無縁ではないと感じました。

個人的には、国家に転嫁した自分の内面の恐怖といかに向き合い、共生することができ
るのかが、国際政治を考えることの第一歩であるように思われました。

何もかもが不確実な現在において、少しでも確かな明日を生きるために、大局的に世界
を見る視点を得られる、ひとつの物差しのような本ではないかと思います。
難しい ★★★☆☆
国際政治とは何かというものから国際政治のあるべき姿まで様々なことを学んだ。
しかし新書にしては難しく、時間がかかった。
有意義な本ではあると思うが、もう少し平易に書いて欲しかった。
現実的思考の効き目 ★★★★★
 国際政治についてはマスメディアでも度々取り上げられるし、それを論じる人たちも様々なことを言いやすい分野に見えてしまう。国内での言論は政治家の発言を別にすれば稀にしか国境を超えていかないから、過激な議論も理想的な議論もある程度言いたい放題になってしまう。本書は、そんな言いたい放題の議論とは毛色が違う。まず、国際政治についての最初の起こりから現代の状況までを歴史的な脈絡に即して辿っていく方法が取られていて、読み手に国際政治についての基礎的な事実を理解させようとする意図が明確にある。具体的内容は皆さんがレヴューされている通りだが、記述の傾向として飽くまで現実的で、政治が為す事に幻想を抱いていないところは明確に方針として採用されている。もちろんその現実性は、確認可能な事実と妥当な推論と想像力に基づいている。それは、過度の理想を主張する政治行動が悲惨な結果を齎したこと、侵略行為が何らかの理想によって美化され、正当化された上で行われることへの理解の上にとられている立ち位置であると読み取れる。保守的であることが、現状の下で真により良い生活を手に入れるための智慧として示されている。

 ここで示されている主権国家体制、国際共同体、世界市民主義といった側面をもつ国際政治の仕組みは自分の生きている主権国家につながり、また自分のいる地域にもそのインパクトはつながってくる。自分のいる地域について考える際にもまったく無縁ではない問題領域の仕組みが、わかりやすく纏められた1冊として使用価値の高い1冊。
最良の概説書 ★★★★★
本書では、近代から現代に至る国際政治の変遷を、伝統的政治理論からわかりやすく解説されている。
その上で、現代国際政治に対する筆者からの問題提起が随所になされており、読者はおおいに触発されることと思う。
新書で国際政治を概観したいなら、ぜひ本書をおすすめしたい。