英雄伝の主人公がふさわしく
★★★★★
戦いは小休止で魔法使いと戦いつつ自分探しの旅編になってしまったらどうしようといらぬ心配していたのですが熱い。
強大な魔法使いを登場させたものの、世界観としてはやはり鋼の時代。魔法はおどろおどろしいけど、剣で倒せないものではないって感じにうまくまとまっていて一安心。
そしてオルバも主人公の本領発揮で、隊長として無茶なく活躍です。王子やってたころよりも貫禄・落ち着きが描かれていて、オルバが幼いころ読んでいたであろう英雄達の軍記物を地でいってます。立派な軍記物主人公になりそう。
とにもかくにも、今回は終盤のオルバのふるまいが王道すぎて感動しました。☆5つつけときます。
あとがきを信じるなら次こそビリーナが(少しぐらい!?)出てきそうですが、どうなることやら。
これから戦場に身を起きつつ登り詰めていくのでしょうか。終幕まで長期シリーズで読みたいものです。
西方編、とりあえず終結。
★★★★☆
前巻に続き、西方編の6巻。
今巻から魔法が本格登場してきましたが、やはりというべきかバランスが危うくなりそうな感じは否めなかったです。
とはいえそれほど魔法が幅を利かすわけでもなく、オルバの戦略や剣での戦いは健在で最後まで楽しく読めました。
このシリーズは毎巻毎巻、序盤・中盤で伏線を張りながら、且つ読ませる文章・展開で、安心して読んでますが、特に今巻は前巻をはさんでの展開だったので、終盤はもうかなり燃えました。
作者もあとがきで書いてますが、ビリーナが今巻も登場せずで少しガッカリでした。
しかし次からはでそうな感じでしたが。
今巻ラストが気になる終わり方だったので、次の7巻が楽しみです。
熱い!
★★★★☆
五巻で傭兵となったオルバが、強大な魔法を持つガルダとの争いに巻き込まれていく今作。いつにも増して戦争シーンが多い。タウーリア、ヘリオ、チェリク。西方の国の戦士たちが、それぞれの思惑を胸に剣を交える。これだけ多くの登場人物がいるにも関わらず、みなの葛藤や野望が透けて見えるのが面白い。
シリーズ初といっていい魔法の登場に一抹の不安を覚えていたが、読了してひとまずは安心。とりあえず面白さが失われることはなかった。ただやはりバランスが一気に魔法側に傾いてしまった感はある。個人的に「烙印の紋章」の面白さは、主人公オルバ繰り出す戦略・戦局の面白さにあると思っているので、魔法が出しゃばりすぎてあまり大味な展開にはなってほしくない。そこら辺は今後の作者の力量に期待するとしよう。
しかしクライマックスは痺れたなぁ。毎回なんだけど終盤の盛り上がりはやっぱり凄い。しかもそれが100Pくらい続くんだから。とくにオルバがエスメナに「俺が○○だ!」なんて告白するシーンにはもう興奮しまくり。鼻血出たよほんとに。
あ、ちなみに今回 も ビリーナちゃん出ません。五つ星じゃないのはそれが理由。いちおうヒロインなんだし二巻連続で出ないのはどうかと…。まぁ男くささも魅力の一つだけどね。