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女(リブ)たちの共同体(コレクティブ)―七〇年代ウーマンリブを再読する

価格: ¥1,785
カテゴリ: 単行本
ブランド: 社会評論社
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70年代以降の読者に是非おすすめ ★★★★★
社会学的な観点から、1970年代のウーマンリブについて改めて考えた一般向けの学術書。タイトルどおり、この運動の中で生まれてきた女性たちによる女性たちのための共同性の形成過程の記述と分析がメインである。
基本的には、日本の女たちが「個」としての全体性を生きるためにどのように奮闘してきたのかが焦点となる。おじいさんは山へ芝刈りにおばあさんは川へ洗濯に的な「家」から離脱して、自分の性的な身体に自分で向き合い、しかもただ「個」としての幻想を生きるのではなく、他の女たちと対幻想をつくりあげながら新しい共同体として生きていく。
そのプロセスで、リーダー格の田中美津のカリスマ性のために水平的な関係が保てなくなったり、どうしても従来と似た「父」の存在が求められてきたり、あるいはシンプルに生計の維持困難のために共同性に亀裂が入ってきたりと問題も沢山あった。でも、それでもなお著者は、この圧倒的に画期的だった女性運動の意義を現代の目線から追求していく。
現代では、女たちは昔より確かに自由になったが、けれどその「個」たちは他のヒトに出会うことがなく、ただただその「個」の快楽的な消費生活のためだけに生きている物足りなさがないか、と著者は示唆する。もう還暦すぎた著者の感慨が興味深い。かつては、規制の共同体への対抗意識から生み出される別の共同体への希求があり、それはとても輝かしかった・・・。
そのような「若者」の暮らしぶりへの批判的な見解に首肯するか否かはともかく、リブ運動の軌跡を現代人がものを考えるための社会現象として再考するにあたって、この本はとても読みやすくしかも思考を刺激してくれるよい本だ。