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精神医学の歴史 (レグルス文庫)

価格: ¥945
カテゴリ: 新書
ブランド: 第三文明社
Amazon.co.jpで確認
少し調査不足では? ★★★☆☆
間違いが1点、疑問点が1点あるので、訂正を願いたい。
第1点 阿呆船について
P60に「阿呆船とは、主に北部ヨーロッパ諸都市間に張り巡らされた運河などの
水運を利用して、精神病患者を船に押し込み、都市から都市へと追放するために考案
されたものである」と記載されているが、Ship of Fools (Wikipedia) 
には、下記のように記載されており、伝説を実態と勘違いしているようだ。
The actual practice of sending a group of "fools" or madmen off in
a ship to another European town was said to have originated in
medieval times, but has recently been proven to be a legend.

第2点 野口英世の功績について
P161
「野口英世は、進行麻痺患者脳からはじめてスピロヘータ・パリーダを分離する
ことに成功し・・」と記載されているが、「しかし現在これは疑問視され、野口の
失敗だったとみなす意見が多い。(この後、追試に成功した者はいない)。」(科学館メニューより)

平易な精神医学概観 ★★★★☆
 人間の歴史から説き起こし、中世までの悪魔から精神疾患がいかに症状として確立したか、特にクレペリンが如何に躁鬱病と早発痴呆を分けたかを図版を交えながら平易な語り口で解説している。紹介にあるように日本の精神医学の発展についても戦争との関連も含め最低限の記述がある。
 ただ、私に興味があるのは超自然の実在を前提とした理解であり、その観点からすると前近代のプラーターの分類に悪魔憑きがあることを指して「オカルト的な考え方から完全に脱却しているとは言い難い」という著者の模範的な科学者の姿勢、近代西洋医学の誠実さだけでは不十分であると思っている。中世までの悪魔という他者認識と負の認識の両方が含まれていた言い方が間違っていたことは間違いないが、近代精神医学は後者の負の認識だけを唯物論的に解明し、薬物療法で治療可能なものが治療可能な病であるという飛躍した定義をしてしまった。仮にそうしなければ健全さが維持できないとしても、少なくとも学問としては前者の超自然的他者認識について準備ができた段階では科学的に問題にするという但し書きとでも言うべきものを付すべきだったのではないだろうか。私は勿論精神病が悪魔の所為だから悪魔との闘いによって勝てば全ての病が治癒されると言いたいのでは毛頭無い。むしろその逆で、悪魔は、悪魔と呼ばさるを得なかった意識への外部からの他者の作用は部分的ではあるが確かにあり、これを解明しない限り精神について、人間の意識について真に理解することはできないのだということ、ほとんどただそのことだけである。
読みやすい入門書 ★★★★☆
とても読みやすい。日本やアジアなどの話にもちゃんと触れようというコンセプトがあるらしく、その点が非常にすばらしいです。
ただ、新書ゆえのボリュームの限界から、どうしても一つ一つのテーマについてうわべをさらってお終い、という感じなので物足りなさは残ります。
まあ、この本の後に関連文献を読むにしても、入門としてはなかなかよいのではないでしょうか。