プロゴルファーとキャディの美しく悲しい物語
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本書の主人公は約30年間、トム・ワトソンのキャディを勤め、ワトソンの全盛期の活躍を支えたブルース・エドワーズ。PGAツアー・プロの間でも名キャディと高い評価を受け、ワトソンがレギュラーツアーで峠を越した時期に、当時世界No.1だったグレッグ・ノーマンのキャディとして乞われたこともある。
ワトソンの偉業と共に名キャディとしての名を残したブルースは、しかし不治の難病ALS(ルー・ゲーリック病)に冒され、49歳で短い生涯を閉じる。シニアツアー入りして活躍を期待されつつ、今一つ元気のなかったワトソンだが、ブルースの死期を知って奮起、二人の快進撃が始まった。
PGAツアーのキャディの歴史とはこういうものだったか、ということも興味深い。ワトソンとの出会いも偶然の賜物。キャディとして才能溢れるブルースとワトソンの人柄、二人の関係の描写がとても美しく、そして悲しい。