イノベーション実践の総括
★★★★★
本著は、本著は、高度技術社会におけるフロントランナー企業に対し、これまでのキャッチアップ型のイノベーションから脱却し、ニーズ志向をも超え、マーケィングを内包した、技術主導の顧客創造を行うことを、マネジメントレベルで実践することを問うものである。
しかしながら、これまでの日本企業には、
1.ものつくり・製造現場至上主義、
2.多様性の排除、
3.既存事業と新規事業間の軋轢、
4.製造統合力重視、
5.他部門貢献を評価しないマネジメント体制、
6.マーケティングとイノベーションの乖離、
7.製品を創造すればいいという技術者像、
など、日本企業に勤める者であれば誰しも思い当たるであろう、解決すべき多くの課題が残されている。
本著を熟読することで、会社における実践的な解決手法を考える上での端緒となることであろう。
ご提案の一つでもある、イノベーションを起こす技術者がマーケティングを内包し技術創造を行うにあたっては、マーケティング基本の理解も必要かと考えられるので、コトラーの古典などにあたることで理解を深めると良いと考える。