まだまだ製薬産業はぬるい産業である
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現在、製薬産業は2010年問題が中心の話題になっている。これは製薬企業の収益の柱になっている主力医薬品の特許が一斉に切れる事を言っており、まさにジェネリックの参入が相次ぐことを意味している。
米国では特許が切れる=後発品にシェアを即奪われる事を意味しており、それだけインパクトの大きい話なのであるが、日本はまだまだジェネリックの影響はそれほど大きくなっていない。しかし医療費削減で厚労省は躍起になっており、ジェネリックの数量シェアを30%まで引き上げる目標を立てて対策を講じている。
そういう環境の中、製薬産業がこれにどのように今まで対応してきたのか、その意味は何なのかなど非常に産業全体を広く鳥瞰して書かれたものとなっている。
製薬産業が今どのような状況になっていて、そして今後の動向がどうなっていくのかなど、分かりやすく書いてあるので、この業界に多少でも関心があれば一度ざっと読まれることをお勧めしたい。
個人的には、製薬産業は今後の薬価改定に試験的に導入される「新薬創出・適用外薬解消等促進加算」をきっかけに、大きな再編が起きる可能性があると感じている。まだまだいろんな意味で製薬産業はぬるい産業であろう。